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61~70話

達するまでの時間?【下】 ※

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「あっ、あぁ……っ、ヨルっ、ヨルグさんっ!」

「っは……、どうした? 痛むか?」

 ぶんぶんと左右に首を振る。
 痛くはない、痛くはないのだけれど。ゆっくりとギリギリまで引き抜いては、またゆっくりと深く挿し込むをくり返されて、お腹の奥がむず痒いような、熱が籠っていくような、どうにも解消しようのない状況に陥っているのだ。

「お腹の奥、ムズムズして……! でもっ、掻けない、から……っ」

 下腹に爪を立てようとした手が捕らえられ、指を絡めて顔の両脇に縫い留められる。
 ヨルグは私と両手を繋いだまま、なおもゆっくりと抽挿を続けた。

「どこがムズムズする? ……この辺りか?」

 雄芯が探るように内壁を擦る。
 てんで見当違いの場所を擦られれば、さらにムズムズが増していくような心地がした。

「んゃっ、やぁ……っ! もっと奥! 一番奥のとこ、ちゃんと擦って……! ひぅっ――!」

 グンッと奥に突き立てられて、圧迫感に息を呑む。グビュッと音を立てて押し出された精液が、たらたらと後孔をくすぐってシーツに落ちる。
 雄芯の切っ先が熱に触れ、全身が歓喜するように打ち震えた。

「っ、ここか……?」

「んっ、そこ……! やっ、ふぁっ……、そこっ、グリッてするの、好きぃ……っ!」

「っぐ――!」

 ヨルグが不自然に動きを止める。
 再び達したのかと思ったけれど、先ほどのように温もりが広がっていく感覚がない。どうやら、歯を食いしばって達するのを堪えているようだ。
 ……なぜ?? 精を放つのが『ゴール』のはずなのに。

 『情けない姿』がどうのと言っていたし、達するまでの時間が長いほど格好いいだとか、そういった基準があるのだろうか? だとすれば、ヨルグの舌と指であっという間に達してしまった私も情けない姿を見せたことになる。
 それでもヨルグが幻滅した様子なんてないのだから、私だってそんなことを気にするわけがないとわかりそうなものなのに。

 ともあれ、今は自分の手では届かないムズムズを一刻も早くなんとかしてほしい。

「ヨルグさんっ、もっと! もっと奥、いっぱい擦って……!」

「――っリズの、望みのままに」

 ズルリとギリギリまで引き抜かれた雄芯が、狙い定めて一気に最奥を穿った。
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