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61~70話
私の代役【下】 ※
しおりを挟むやっぱりヨルグは胸が好きらしい。
こんなに慎ましい胸でも熱心に舐め上げられて、愛を塗り込まれているような気分になる。
ヨルグが舌を這わせるのに合わせ、頭のてっぺんでまとめられた前髪がシャワシャワと頬をくすぐってくるのも愛おしくて。
「んっ、ふふっ……、――っ!? 今、なんかチクッて……」
「っは……、痕を付けたんだ。痛かったか?」
「それは大丈夫ですけど……痕?」
『痕』とはなんだろう?
胸元を見れば、指先ほどの範囲がくっきりと赤く色づいている。
ヨルグは愛おしそうに舌を這わせ、痕にちゅっと口づけを落とした。
「俺のものだという印だ」
そういえば昨夜、ヨルグは私の胸の所有権を主張していたのだ。他者が見てもわかるよう、自分の持ち物に目印をつけておくような感覚だろうか。
「でもこんな所、ヨルグさんしか見ないのに……」
「ふっ、たしかにな」
弓なりになった唇が優しく胸に触れ、再びチクリと痕を残した。
濡れた唇がやんわりと胸を食み、舌がくにくにと先端を捏ねる。
「んっ……く、ふぅっ……」
これ以上翻弄されないようにと舌の動きに意識を集中していると、反対の胸を揉んでいた手がきゅむっと先端を摘まんだ。
「きゃうっ!?」
「リズ、可愛い……」
摘ままれた指のあいだから覗く先端を、尖らせた舌先がチロチロとくすぐる。
ヨルグの口から開放された胸はすぐさま、反対の手のひらにすっぽりと捕らわれた。
「ふっ、やぁっ……」
胸ばかり触れられていると、もっと下のほうにも触れてほしいような、なんとも言えない気分になってくる。
ひとりでに腰が揺れ、昨日の快感を覚えている秘部が切なくきゅうっと収縮する。
もじもじと膝を擦り合わせると、ドロワースの内側にぬるりと湿った感触があった。
「!」
この感触は知っている。ヨルグの行為を覗いていたときにも度々あったことだ。
尿とは違う、透明でぬるぬるの粗相――。
「あのっ! すみません、やっぱりお風呂いただいてもいいですか!?」
早く洗い流すか拭き取るかしなくては、ヨルグに見られてしまう!
慌てて飛び起きようとした私に、ヨルグがちゅっと口づける。
「それなら終わったあとで、一緒に入ろう」
ヨルグは嬉しそうにそう言うと、あろうことか私のドロワースに手をかけた。
「やっ、ダメダメ! 見ちゃ――っ」
制止するよりも早く、スルンとドロワースを抜き取られる。咄嗟にぎゅっと閉じ合わせた膝も、ヨルグ相手ではなんの抵抗にもならなかったらしい。
「濡れてる……?」
ヨルグの呟きにキュッと心臓が縮む。
空気に晒された秘部はスースーとして、否が応でも粗相の事実を突きつけてくる。
抵抗する意味を失った私は、ヨルグの手に導かれるままパカリと脚を開いた。
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