不能だと噂の騎士隊長が『可能』なことを私だけが知っている(※のぞきは犯罪です)

南田 此仁

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51~60話

握った手の熱【中】 ※

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「うぅぅ……。そんなとこ、自分でも見たことないのに」

「俺だけが……」

 ――ゴクリ

 喉の鳴る音がいやに大きく聞こえたかと思えば、ぬるりとした感触が秘部に触れた。

「ひゃうっ!? んっ! ふっ、それ……っ」

 稜線をたどるように、尖らせた舌先がゆっくりと割れ目を上下する。

 もどかしさにも似た淡い痺れ。
 泡立てた石鹸を濡れ布巾で撫でたときのような、にゅるり、にゅるり、と不思議な感触が秘部を滑る。

「んぅ……、っ変な、感じ……っ」

「……不快か?」

 ちょっと考えて、ふるふると首を振る。

 予告されていたとはいえ恥ずかしさで全身が発火しそうだけれど、不快感はない。どちらかといえば『気持ちいい』寄りだとは思うものの……どうにももどかしさが先行してしまって判断がつかない。
 部厚い膜越しにムズムズ感を与えられているかのような、延々ともたらされない何かにソワソワする感覚。

 ゆるく輪郭をなぞっていたヨルグの舌が、何かを探るように動きはじめた。

「ふっ……、ぅ……、――きゃう!?」

 舌先がとある一点を通過した途端、大袈裟なほどビクンと腰が跳ねた。

「……へっ?」

「ここか……」

 何が起こったかもわからないまま、再び『そこ』に舌が触れる。

「んひゃっ、なっ!? んんっ……!」

 もどかしさを脱ぎ去ったむき出しの快感が腰を貫く。
 お腹の奥が熱くなり、ぎゅっと力が籠ったかと思えば、ふっと弛んで。集中的にねぶられている一点がじんじんと痺れて熱を持つ。

ろうらどうだ?」

「やっ、そこでしゃべっちゃ……っ! んっ、わかん、な……っ!」

 舐めながらしゃべらないでほしい。ヨルグの舌で舐められている最中なのだと、一層実感してしまうから。

 舌先でチロチロと小刻みに突つかれて、連動しているかのようにビクビクと腰が跳ねる。
 ほぐしているはずなのに、これではさらに力が籠ってしまいそうだ。
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