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51~60話
俺のもの【下】 ※
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……見られている。
自分でも見たことのない場所を。
緊張でじりじりと閉じそうになる脚を、グイと左右に開かれて。排泄のために存在していると思っていた場所が、特別な役目を持ってヨルグの眼前に晒されている。
「…………」
『感想を言わなくていい』と言ったのは私だけれど、完全に無言というのも居たたまれない。
表情もわからないまま顔を寄せて静止され、いよいよ耐えきれずに音を上げた。
「は、恥ずかしいです……。私だけ、全部見られて……っ」
ずっと興奮状態の雄芯だけを露出しているヨルグも、それはそれで別の恥ずかしさがありそうだとは思うけれど。
ヨルグはぼんやりとでもしていたのか、私の声に弾かれたように顔を上げた。
「――っあ、ああ! すまない、夢中になっていて気が回らなかった」
ボタンを外すことさえももどかしそうに頭からシャツを脱ぎ、ずり下がった下穿きごとズボンを脱ぎ去る。
そうして現れたのは、穏やかなヨルグの物腰に似合わぬ、ゴツゴツと筋肉が隆起した鋼のような肉体だった。
広い肩幅、血管の浮き出たたくましい上腕、私よりよっぽど部厚い胸板に、くっきり六つに割れた腹筋。そして血管の筋がいざなう下腹の先には、狂暴なまでにそそり立ち、だらだらとヨダレを流す雄芯が――。
――ダメだ。これは目の毒だ。
自分だけ裸を見られていて恥ずかしい、なんて言うんじゃなかった。
素肌に触れる手の熱、いつもより荒い呼吸、真っ直ぐ私に向けられた心。隔てるもののない二人きりの空間で私のためにさらけ出された肉体を見ていると、どうしようもなく落ち着かない気持ちになってくる。
逃げ出したいような、抱きつきたいような。恥ずかしいのに、私だけを見ていてほしくて、どうにかなってしまいそう。
シャツに乱されてくしゃくしゃと顔面に張りつく前髪を、ヨルグが鬱陶しそうにかき上げる。
汗で濡れた前髪は撫で付けられたまま後方にとどまって、覆うもののない双眸が真っ直ぐに私を捉えた。
闇に浮かぶ満月の、心を吸い取られてしまいそうな底知れない魅力。
目が合った瞬間、チリ、と熱に感染した気がした。
「……ずっと、そんな風に私のことを見てたんですか?」
「そんな、とは?」
「わ…………私のことが、好きで好きでたまらない、っていう顔」
「ふっ、今頃気付いたのか?」
「!!」
いつも見ていた控えめに微笑む唇の上方では、切れ長の目が嬉しそうに細められていた。
自分でも見たことのない場所を。
緊張でじりじりと閉じそうになる脚を、グイと左右に開かれて。排泄のために存在していると思っていた場所が、特別な役目を持ってヨルグの眼前に晒されている。
「…………」
『感想を言わなくていい』と言ったのは私だけれど、完全に無言というのも居たたまれない。
表情もわからないまま顔を寄せて静止され、いよいよ耐えきれずに音を上げた。
「は、恥ずかしいです……。私だけ、全部見られて……っ」
ずっと興奮状態の雄芯だけを露出しているヨルグも、それはそれで別の恥ずかしさがありそうだとは思うけれど。
ヨルグはぼんやりとでもしていたのか、私の声に弾かれたように顔を上げた。
「――っあ、ああ! すまない、夢中になっていて気が回らなかった」
ボタンを外すことさえももどかしそうに頭からシャツを脱ぎ、ずり下がった下穿きごとズボンを脱ぎ去る。
そうして現れたのは、穏やかなヨルグの物腰に似合わぬ、ゴツゴツと筋肉が隆起した鋼のような肉体だった。
広い肩幅、血管の浮き出たたくましい上腕、私よりよっぽど部厚い胸板に、くっきり六つに割れた腹筋。そして血管の筋がいざなう下腹の先には、狂暴なまでにそそり立ち、だらだらとヨダレを流す雄芯が――。
――ダメだ。これは目の毒だ。
自分だけ裸を見られていて恥ずかしい、なんて言うんじゃなかった。
素肌に触れる手の熱、いつもより荒い呼吸、真っ直ぐ私に向けられた心。隔てるもののない二人きりの空間で私のためにさらけ出された肉体を見ていると、どうしようもなく落ち着かない気持ちになってくる。
逃げ出したいような、抱きつきたいような。恥ずかしいのに、私だけを見ていてほしくて、どうにかなってしまいそう。
シャツに乱されてくしゃくしゃと顔面に張りつく前髪を、ヨルグが鬱陶しそうにかき上げる。
汗で濡れた前髪は撫で付けられたまま後方にとどまって、覆うもののない双眸が真っ直ぐに私を捉えた。
闇に浮かぶ満月の、心を吸い取られてしまいそうな底知れない魅力。
目が合った瞬間、チリ、と熱に感染した気がした。
「……ずっと、そんな風に私のことを見てたんですか?」
「そんな、とは?」
「わ…………私のことが、好きで好きでたまらない、っていう顔」
「ふっ、今頃気付いたのか?」
「!!」
いつも見ていた控えめに微笑む唇の上方では、切れ長の目が嬉しそうに細められていた。
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