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41~50話
シャツの内側は【下】 ※
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「なんていうか、ヨルグさん対策ではありますけど……」
「もっと、ちゃんと見たい」
前のめりに迫ったヨルグの指先が、シーツに置いた膝に触れる。
「んっ、それは……」
「俺のために用意してくれたんだろう?」
許可を求めるように、じり、とヨルグの顔が迫る。
迫られた分だけ無意識に上体をひくけれど、触れられている脚は硬直したように動かない。
逃げられないのを知ってか知らずか、素肌の膝に添えられた指が、するりとシャツの裾に潜り込んだ。
「! ヨルグさ――」
唇に熱が重なって、それ以上の発言を封じられる。押し返そうとヨルグの胸に置いた両手が、すがるようにきゅっとシャツを握りしめる。
上体をのけ反ったまま口づけられた私は、呆気なくポスンと、背後のふかふかな枕に倒れ込んだ。
いつもよりどこか強引で余裕がなさそうなのは、私に欲情しているせいだろうか?
……そうであれば嬉しい。
穏やかなヨルグを興奮させるのも、余裕を失わせるのも、自分だけであればいいのに。
大きな手のひらに太ももを撫であげられて、ソワソワと肌が粟立つ。
「……しっ、下着なんて見ても汚いだけですよ?」
「買ったばかりなんだろう? ――それに、俺はもっと見られている」
「ごもっとも……」
ヨルグが『中身』まで見せてくれている以上、私に下着の露出を拒む権利はなさそうである。
しかしこの下着を見せるとなると、ほとんど『中身』まで見えてしまうわけで――でもヨルグは『中身』を見せてくれているのだから、やっぱり拒む権利はなさそうであった。
見上げた視界には、いつかの公園のように私に覆い被さるヨルグの姿。
あのときと違うのは、ヨルグと想い通じあったことと、ここがヨルグの寝室のベッドの上だということ。
それと――――ヨルグの昂った雄芯が露出していることと、私のシャツの裾がめくられて防御力に乏しい下着が露呈していること、だろうか。
真下を向いていることで前髪が落ち、ヨルグの表情がうっすらと逆光に浮かぶ。
ヨルグの真剣な瞳はまだ私の目を見つめているけれど、下着を見られるのも時間の問題だ。
「俺が毎晩、どうやってハンカチに触れていたか……覚えているか?」
「ハンカチに……? えっと……見つめたり、撫でたり、嗅いだり、口づけ……たり……」
私の返答を聞きながら、ヨルグがおもむろに舌なめずりをする。
まさか、下着相手に『それ』を行おうというのか。
これはちょっと、まずいような……。
「……あっ、あーっと! ヨルグさんはどんな料理が好みですか!? 今度、ヨルグさんの好きなものを作りますよ!」
「リズの手料理ならば、すべて好みだ」
話ながらも、ちゅ……と首筋に口づけが落ちる。
「んっ――! じゃ、じゃあ行きたい場所は!? 今度またデートしましょう!」
「そうだな……、リズの故郷には行っておきたいな。ご両親のお墓に参らせてほしい」
「そっ――、んんっ」
シャツ越しにも伝わるほどの熱い吐息が胸の頂点を掠める。
名残惜しそうにしばらくとどまり、しかし胸には触れることなく、ヨルグの頭は下腹へと下りていく。
まずい、早く止めなくては。
もっと、ヨルグが聞かずにはいられないような話題は――!
「さっ、さっきの『結婚』の話ですけど!」
ピタリと動きが止まり、ヨルグが顔を上げた。
すんでのところで窮地を脱した私は、ほぅーっと胸を撫で下ろすのだった。
「もっと、ちゃんと見たい」
前のめりに迫ったヨルグの指先が、シーツに置いた膝に触れる。
「んっ、それは……」
「俺のために用意してくれたんだろう?」
許可を求めるように、じり、とヨルグの顔が迫る。
迫られた分だけ無意識に上体をひくけれど、触れられている脚は硬直したように動かない。
逃げられないのを知ってか知らずか、素肌の膝に添えられた指が、するりとシャツの裾に潜り込んだ。
「! ヨルグさ――」
唇に熱が重なって、それ以上の発言を封じられる。押し返そうとヨルグの胸に置いた両手が、すがるようにきゅっとシャツを握りしめる。
上体をのけ反ったまま口づけられた私は、呆気なくポスンと、背後のふかふかな枕に倒れ込んだ。
いつもよりどこか強引で余裕がなさそうなのは、私に欲情しているせいだろうか?
……そうであれば嬉しい。
穏やかなヨルグを興奮させるのも、余裕を失わせるのも、自分だけであればいいのに。
大きな手のひらに太ももを撫であげられて、ソワソワと肌が粟立つ。
「……しっ、下着なんて見ても汚いだけですよ?」
「買ったばかりなんだろう? ――それに、俺はもっと見られている」
「ごもっとも……」
ヨルグが『中身』まで見せてくれている以上、私に下着の露出を拒む権利はなさそうである。
しかしこの下着を見せるとなると、ほとんど『中身』まで見えてしまうわけで――でもヨルグは『中身』を見せてくれているのだから、やっぱり拒む権利はなさそうであった。
見上げた視界には、いつかの公園のように私に覆い被さるヨルグの姿。
あのときと違うのは、ヨルグと想い通じあったことと、ここがヨルグの寝室のベッドの上だということ。
それと――――ヨルグの昂った雄芯が露出していることと、私のシャツの裾がめくられて防御力に乏しい下着が露呈していること、だろうか。
真下を向いていることで前髪が落ち、ヨルグの表情がうっすらと逆光に浮かぶ。
ヨルグの真剣な瞳はまだ私の目を見つめているけれど、下着を見られるのも時間の問題だ。
「俺が毎晩、どうやってハンカチに触れていたか……覚えているか?」
「ハンカチに……? えっと……見つめたり、撫でたり、嗅いだり、口づけ……たり……」
私の返答を聞きながら、ヨルグがおもむろに舌なめずりをする。
まさか、下着相手に『それ』を行おうというのか。
これはちょっと、まずいような……。
「……あっ、あーっと! ヨルグさんはどんな料理が好みですか!? 今度、ヨルグさんの好きなものを作りますよ!」
「リズの手料理ならば、すべて好みだ」
話ながらも、ちゅ……と首筋に口づけが落ちる。
「んっ――! じゃ、じゃあ行きたい場所は!? 今度またデートしましょう!」
「そうだな……、リズの故郷には行っておきたいな。ご両親のお墓に参らせてほしい」
「そっ――、んんっ」
シャツ越しにも伝わるほどの熱い吐息が胸の頂点を掠める。
名残惜しそうにしばらくとどまり、しかし胸には触れることなく、ヨルグの頭は下腹へと下りていく。
まずい、早く止めなくては。
もっと、ヨルグが聞かずにはいられないような話題は――!
「さっ、さっきの『結婚』の話ですけど!」
ピタリと動きが止まり、ヨルグが顔を上げた。
すんでのところで窮地を脱した私は、ほぅーっと胸を撫で下ろすのだった。
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