不能だと噂の騎士隊長が『可能』なことを私だけが知っている(※のぞきは犯罪です)

 パン屋の看板娘、リゼットには秘密がある。
 幼い頃から、壁や物を『透視』する能力があったのだ。

 そんなリゼットが淡い恋心を寄せるのは、常連客の騎士ヨルグ。
 毎日お店で顔を合わせ、ほんの少しおしゃべりをして。それだけで十分満たされているはずだった。
 ――そう、彼が向かいの家に引っ越してくるまでは。


「間に合ったみたいね」

 リゼットが見つめる先、通りを挟んだ向かいにあるのはきっちりとカーテンの引かれた一室。
 その内側で繰り広げられる光景は、本来なら誰も目にすることのない密事。

 隙間から漏れる家灯りしか見えないはずの宵闇で、リゼットは今日も禁断の趣味に興じる――。



■一話 800~1000文字ほど
 週一、月曜日更新
■ヒーローの自慰が好きな方、寄ってらっしゃい見てらっしゃい(本作は純愛です
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