ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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番外編

5b、私は冬の景色をわかっていない ※

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 寒い場所から戻って入る風呂は格別だ。
 広い湯船に浸かれば、温かな湯が冷えきった身体に浸透し、じんじんと指先まで血が巡ってくるのを感じる。

「ふぅぅ……」

「しっかりと肩まで浸かって……、そうだ」

 湯の深さはガルの膝に乗せられた私がちょうど肩まで浸かれるくらい。しかし、それではガルの肩が出てしまうのだ。

「ガル様も、ちゃんとあったまらないと」

 手のひらに湯をすくっては、せっせとガルの肩にかける。

 んー、まだちょっとひんやりする。
 パシャパシャ

「……マヤ。一緒に温まるのなら、簡単な方法がある」

「どうするんですか?」

「舌を出して」

「? んぇー」

 言われるままに、んべーっと舌を突き出す。
 一体どんな方法だろう?

 身を屈めたガルの顔が近づくと、突き出した舌をちゅるんと口に吸い込まれた。

「んむっ!?」

 やわらかな感触を楽しむように熱い舌が絡み、歯でゆるゆると輪郭をなぞられ、甘噛みされて、驚きに強張った身体から次第に力が抜けていく。

「んん……ふっ……」

 がっちりと抱きしめられてのけ反るようにキスを受け入れながら、ガルの太い上腕にぎゅっと捕まる。
 くちゅ、ちゅぷと水音を響かせて口腔をむさぼられると、温められた身体の奥に甘い疼きを感じた。
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