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番外編
2a、私は冬の景色をわかっていない
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次に目の前に広がった景色は、大きな登り坂……いや、これは山だ。大きな雪山。
真っ白な斜面の所々からは綿帽子を被った木々が突き出ている。
ガルと私がいるのは山の麓を走る幅広い道のようで、後ろを振り返れば5メートルほど先に、厚く雪化粧を施されたされた森が迫っていた。
山と森に挟まれたこの道は一度除雪されたのか他に比べて雪が少なく、泥混じりの雪の上には馬らしき蹄の跡と幾筋かの轍が見える。
しかしぐるりと周囲を見渡したところで、どこまでも真っ白な景色が広がるだけで人一人見当たらない。
「ここでご用事ですか?」
「いや、ここではなさそうだ。この道沿いなのは確かなんだが、詳しい地点がわからなくてな。少し歩くぞ」
「はい」
移動の邪魔にならないよう、黒いマフラーが巻かれた首筋にしっかりと抱きついた。
色も音もすべて吸い込まれてしまったかのような雪道を、サクサクと雪を踏みしめながらガルが進む。
頭まですっぽりとフードに覆われている私とは違い、ガルが身につけているのはフードのない黒のロングコート。
ふと頬に触れたガルの耳がとても冷たいのに気付き、はぁーと息を吐きかけて手袋の手でこしこしとさすった。
「ああ、ようやく着いたようだな」
「んん……?」
目を凝らせば、進む道の先に何か見える。
小高く積み上がった、真っ白な……
「……雪?」
「ああ。山からの雪崩で道が塞がれたんだ」
真っ白な斜面の所々からは綿帽子を被った木々が突き出ている。
ガルと私がいるのは山の麓を走る幅広い道のようで、後ろを振り返れば5メートルほど先に、厚く雪化粧を施されたされた森が迫っていた。
山と森に挟まれたこの道は一度除雪されたのか他に比べて雪が少なく、泥混じりの雪の上には馬らしき蹄の跡と幾筋かの轍が見える。
しかしぐるりと周囲を見渡したところで、どこまでも真っ白な景色が広がるだけで人一人見当たらない。
「ここでご用事ですか?」
「いや、ここではなさそうだ。この道沿いなのは確かなんだが、詳しい地点がわからなくてな。少し歩くぞ」
「はい」
移動の邪魔にならないよう、黒いマフラーが巻かれた首筋にしっかりと抱きついた。
色も音もすべて吸い込まれてしまったかのような雪道を、サクサクと雪を踏みしめながらガルが進む。
頭まですっぽりとフードに覆われている私とは違い、ガルが身につけているのはフードのない黒のロングコート。
ふと頬に触れたガルの耳がとても冷たいのに気付き、はぁーと息を吐きかけて手袋の手でこしこしとさすった。
「ああ、ようやく着いたようだな」
「んん……?」
目を凝らせば、進む道の先に何か見える。
小高く積み上がった、真っ白な……
「……雪?」
「ああ。山からの雪崩で道が塞がれたんだ」
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