ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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101~最終話

103a、私は列席者をわかっていない

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 特別な用事の際に使われるのだという豪華な四頭立ての馬車に揺られ、結婚式を行う教会へと向かう。

 同乗するメイド長にはきっと沢山心配をかけているだろうに、静かに目を伏せ、何も言わずにそっとしておいてくれるのがありがたい。
 今は、再会への不安で頭がいっぱいだから。

 見るともなしに窓の外を眺める。
 雲一つない青空。段々と高く昇っていく日に照らされる家々。

 流れるように過ぎていく街並みを見ていると、心をどこかに置き去りにしたまま自分だけがどんどんと遠く離されていくような、言い知れぬ空虚感を覚えた。





 数分にも数時間にも思える時間が過ぎて、滑らかに馬車が停止した。
 再び動き出す気配はないので目的地に到着したのだろう。

 軽いノックのあと外からドアが開かれ、まずはメイド長が馬車を降りる。
 次いで私も席を立ち、ドアをくぐろうと身を屈めた瞬間、伸びてきた手に両脇を支えられ一気に車内から引き抜かれた。

「!?」

 途端全身に降り注ぐ日差しの眩しさに、きゅっと目を瞑る。

 …………

「……?」

 一向に下ろされる気配がないことを不思議に思いゆっくりと目を開けば……そこには、ずっと会いたかった・・・・・・ガルがいた。
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