ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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101~最終話

103d、私は列席者をわかっていない

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「ああ。祝いに来た者を無碍むげに追い返すのもどうかと思い入れてしまったが、大丈夫だったろうか?」

「はい……それは、嬉しいです」

 こくこくと頷く。

 ウルと遊んだのはまだたったの二回だけだけれど、私は元気で無邪気なウルが大好きだし、ウルも私にとても懐いてくれていた。
 この世界で私が友人と呼べるのは、確かにウルくらいのものだろう。

 他の列席者もいないのだから、誰に迷惑をかけることもない。そこまで含めて、ウィルドの思惑通りなのだろうか。


 天井まで届きそうなほど大きな扉の前で足を止めた神官が、こちらへと向き直る。

「ご列席の方もお揃いとのことですので、すぐにお式を始めさせていただきます。演奏が始まり扉が開きましたら、祭壇の前へとお進みください」

「承知した」

「それでは準備を進めて参ります。そのままこちらでお待ちください」

 ぺこりと一礼して神官が去っていく。
 メイド長は馬車で待機するのだと聞いていたし、ガルについているはずの執事も姿を見かけないから、恐らくどこかで待機しているのだろう。

 この場に、ガルと私の二人だけが残された。
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