ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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91~100話

97d、私は奥に秘められたものをわかっていない

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 屋敷にいる間もちょこちょこと執務室に籠もっているし、ガルがこっそり何かをしているのは間違いない。
 仕事なのか私事なのかわからないけれど、問題はそれが奴隷商館の時のように危険を伴うものではないかどうかだ。

「ああ。勤務外で危険のあるようなことしていない」

「本当に……?」

 真意を探るようにじいっと瞳を見つめれば、ガルも真っ直ぐに私を見つめ返した。

「剣に誓って」

「……なら、いいです」

 何をしているのかは気になるけれど、危険さえないのであれば私が口出しする謂れもない。
 私が内緒でハンカチを作っていたように、ガルにだって秘密にしたいことの一つや二つあるのだろう。
 浮気は全く疑う余地もないし、ガルの態度を見ているとなんとなく私絡みのような気がしているのだけど……。

 マリッジブルー、とか?
 あれは男性側もなるものだっただろうか……?


 ガルに抱えられてベッドへ腰を下ろすと、ガルをベッドに残したまま膝からぴょいと飛び降りた。

「マヤ?」

「……ガル様に、見てほしいものがあるんです。ちょっと待っててください」

 そう言い残して居室へと向かい、姿見の裏に置かれたバスケットを探ると、大切にそれ・・を抱えて寝室へと戻った。
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