ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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81~90話

89b、私は怪我の原因をわかっていない

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 ふと窓の外を見れば、いつの間にか日が沈んでいる。
 そろそろ夕食の時間だ。

 ガルの帰宅は連日深夜を回るとはいえ、万が一早くに帰宅して刺繍が見つかっては大変なので急いで手芸用品を片付け始める。

 たっぷりと刺繍糸の入ったバスケットの上に練習で作った刺繍も乗せて、裁縫用具の小箱と一緒に布を被せて姿見の裏に隠す。
 姿見は部屋の角を背にして壁際に立っているので、姿見と壁の隙間に置いておけばガルもわざわざ覗き込むことはないと当たりをつけた。

 思った通り、一週間経っても今のところガルに隠し物がバレる気配はない。
 部屋の掃除に入るメイド達も、床掃除を終えるとまた元通り姿見の裏にバスケットを隠しておいてくれる。この分ならガルにも内緒にしていてくれるだろう。
 皆の協力がありがたかった。





 ふわぁぁ、と一人きりの室内で大きく欠伸する。
 今日も一時間ほど昼寝をしておいたおかげでなんとか起きているけれど、時刻はとっくに深夜1時を回っている。

「今日はまた随分遅いなぁ……」

 手持ち無沙汰に角うさぎのぬいぐるみを弄びながら、くてんとだらしなくソファに凭れた。
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