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81~90話
85d、私は行為の手順をわかっていない2 ※
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ガルは先ほど私から剥がしたタオルを掴むと、大慌てでごしごしと私の顔を拭ってくれた。
「マヤ、ほら、口も開けて」
言われるがまま、ニチャァと白濁の残る口を開く。
「っ……!」
一瞬詰まったガルは、すぐさま気を取り直してタオルを指先に巻き付けると、舌の上から口内までしっかりと拭い去ったのち、水差しから注いだ水を手渡してくれた。
「んくっ、んくっ、……っぷはぁ。ありがとうございます」
空になったグラスを取り上げられる。
「マヤ、すまなかった……」
頬に手を添えられ、ガルの親指が水滴の残った私の唇を拭う。
口内に吐精したことを言っているのだろう。
「ガル様は気持ちよかったですか?」
「……ああ、すごく」
「よかったぁ……! 私がやりたくてやったことなので、気にしないでください」
そもそも顔を離させようとしてくれたガルを拒んで咥え続けたのは私だ。
味は美味しくなかったけれど、だからといって別に口や顔にかかったことが不快な訳ではない。
私の手でガルが達してくれたかと思えば、嬉しさに思わず頬が緩んだ。
「えへへ」
「マヤ……」
頬に手を添えられ、ガルの顔が近付いて———
「ダメですよ! ガル様はちゃんと横になって休んでてくださいっ!」
ガルの両肩に手をついて腕を突っ張る。いや、突っ張っているのではなくガルを寝かせようと全力で押しているのだ。
「しかし……」
躊躇いながらも私に押されるに任せてちゃんと寝そべってくれるのだから、ガルは優しい。
「全部、私がするんですから!」
膝立ちになってガルの腰を跨ぐ。
コクリと唾を飲み込み覚悟を決めると、未だ硬さを失わない剛直を目掛け、私はゆっくりと腰を落とした。
「マヤ、ほら、口も開けて」
言われるがまま、ニチャァと白濁の残る口を開く。
「っ……!」
一瞬詰まったガルは、すぐさま気を取り直してタオルを指先に巻き付けると、舌の上から口内までしっかりと拭い去ったのち、水差しから注いだ水を手渡してくれた。
「んくっ、んくっ、……っぷはぁ。ありがとうございます」
空になったグラスを取り上げられる。
「マヤ、すまなかった……」
頬に手を添えられ、ガルの親指が水滴の残った私の唇を拭う。
口内に吐精したことを言っているのだろう。
「ガル様は気持ちよかったですか?」
「……ああ、すごく」
「よかったぁ……! 私がやりたくてやったことなので、気にしないでください」
そもそも顔を離させようとしてくれたガルを拒んで咥え続けたのは私だ。
味は美味しくなかったけれど、だからといって別に口や顔にかかったことが不快な訳ではない。
私の手でガルが達してくれたかと思えば、嬉しさに思わず頬が緩んだ。
「えへへ」
「マヤ……」
頬に手を添えられ、ガルの顔が近付いて———
「ダメですよ! ガル様はちゃんと横になって休んでてくださいっ!」
ガルの両肩に手をついて腕を突っ張る。いや、突っ張っているのではなくガルを寝かせようと全力で押しているのだ。
「しかし……」
躊躇いながらも私に押されるに任せてちゃんと寝そべってくれるのだから、ガルは優しい。
「全部、私がするんですから!」
膝立ちになってガルの腰を跨ぐ。
コクリと唾を飲み込み覚悟を決めると、未だ硬さを失わない剛直を目掛け、私はゆっくりと腰を落とした。
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