ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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71~80話

78a、私はプレゼントをわかっていない

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薄々感じていたけれど、ガルも家族との間に何かあったのかもしれない。
慰めるのも違う気がして、ぎゅうっとガルの胸に抱きつく。

「もしガル様がお誕生日を喜べなくても、私にとってはすごくすごく嬉しい日ですから! ガル様が生まれてなかったら、こうやって出会うこともできなかったですし!」

「……そうだな。こうしてマヤといられるだけでも、生まれてきた意味がある」

その声が温かさを含んだのを感じて、少し安心する。
ガルは優しく私を抱きしめ返すと、大きな手の平でさらさらと髪を撫でた。

「ガル様……何かしてほしいことはありませんか?」

「? 急にどうした?」

「何もプレゼントを用意できてないので……代わりに、何でも言うこと聞きます!」

「!」

髪を撫でていた手が止まり、ガルの喉から「ぐっ」とも「う゛っ」ともつかない音がした。

「私にできることなんてあんまりないですけど……ガル様のお誕生祝いに何かしたいんです! 何かありませんか!?」

腕の中から顔を上げ、じっとガルの目を見て懇願する。
肩たたきとか、マッサージとか、少しくらいなら料理もできるし、部屋掃除……は必要ないか、後はえっと、えっと……
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