ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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71~80話

78d、私はプレゼントをわかっていない

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お次はベッドの端に乗せられていた紐を手に取る。
……うん、紛うことなき紐だ。
いや、紐パンなのはわかっているけれど、どう見ても布面積が少なすぎる。

もたもたと紐を腰の左右で蝶結びにして、どうにか下も身につけた。
非常に心許ないが。
むしろ全裸より恥ずかしいが。


着替え終わりさあガルに声をかけようとなって、ジャジャーンとお披露目するかのように「こっちを見てください」と声をかけるのもかなり勇気がいることだと気付いた。

ベッドに座るガルの背中を見る。
一切の無駄がなく綺麗に筋肉が付き、真っ直ぐ伸びた背すじは如何にも騎士然として、頼もしく惚れ惚れとする後ろ姿だ。

私はそっとベッドに上がると、広いベッドの上を四つ這いでじりじりとガルににじり寄った。

ツンツン

逞しい背中を指で突つく。

「もう、見てもいいのか?」

「……はい」

私の返事にゆっくりと振り返ったガルは、私を視界に捉えるとピシリと固まった。

「……」

「ガル様?」

「……」

「ガル様?」

四つ這いの姿勢のまま、覗き込むようにガルの顔を窺う。
視線はしっかりとこちらを向いているはずなのに、何も反応がない。瞬きさえしていない。

「やっぱり変ですか……?」

身体を起こし、ペタリとベッドに座って自分の身体を見下ろす。
こういう下着はもっと色気たっぷりのナイスバディな女の人が着るもので、貧相な私の身体では土台似合わなかったのだろう。
こんなに恥ずかしい思いをしたのに……。

「よく似合っている!」

シュンと落としかけた肩を、ガシッと勢いよく掴まれた。

「ほんとですか……?」

「ああ! すまない、少々見惚れていたんだ」

真顔でそんなことを言われ、ますます頬が熱くなる。

「その、もっとよく見せてもらってもいいだろうか?」

「ん……はい」

ガルの望みを叶えるために着たのだから、恥ずかしいけれど否やはない。
そっとガルの手が離れると、全体が見えやすいようベッドの上で膝立ちになった。
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