ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ～皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます！～

７１～８０話

７２a、メイド長はご主人様の嗜好をわかっていない３

■まえがき■

コンテスト応援＆投票ありがとうございました！(*´ｪ｀*)
おかげさまで最終日１９位でフィニッシュです！　なんという快挙！

そして、２月中はコンテストのためストックを毎日投稿していましたが、３月からは元の更新ペースである【週２日更新】へと戻ります。
更新日は【月・木】に各４話ずつ程度の予定です。

引き続きよろしくお願いいたします。



————————————




憚はばかりから戻られたマヤ様を元通りベッドへとお連れし、サイドボードの呼び鈴を手の届きやすいようお側へと寄せます。

「些細な事でもかまいません。何かあればすぐ、こちらのベルをお鳴らしください」

「はい……ご迷惑おかけしました」

「迷惑だなど、とんでもございません。マヤ様……」

悩みがあればご相談にのりましょう。
ガリュース様へ打ち明けられない想いがあればお話を聞きましょう。
ご不便があればすぐに解消しましょう。
ですからどうか、ここから出ていきたいなどとお考えになる前に。

「何かお・困・り・の・こ・と・があれば、何でもおっしゃってくださいね」

「はい……」

我が子の半分にも満たない幼い少女が、こうしてご両親と離されて暮らすマヤ様が、どうかガリュース様のお側で笑顔でお過ごしいただけますように。



情事の痕跡について箝口令を敷いたことは、結果としてあまり意味をなさなかったようです。

「昨日付けで、ここにいるマヤが俺の婚約者となった。式も一年以内には挙げる予定でいる。お前達も、以後そのつもりで接するように」

その日の夕刻、使用人一同食堂へと集められて伝えられたのは、ガリュース様とマヤ様のご婚約と一年以内の挙式のご予定でした。