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61~70話

68c、クリスマス番外編 12月25日

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夕食を終え、パンパンのお腹を抱えて大満足で部屋に戻る。
残してしまったケーキが気になったけれど、使用人の人達で分けると聞いてほっと息を吐いた。

「さて、そろそろ俺にも教えてもらえるか? 朝からニコニコとして、今日は一体どんな祝祭の日なんだ?」

部屋のソファに座るなり、私の頬をくすぐりながらガルが楽しそうに口を開いた。

あれ?
私は今日がお祭りだなんて、ガルに言っていただろうか?

「えっと、……ちょっと目を瞑っててもらえますか?」

「ああ」

質問の答えになっていない私の要求にも、ガルはすんなりと目を閉じてくれる。
寄せられる信頼に嬉しさを感じながら、私はぴょんとガルの膝から下りると、部屋の片隅へ行きクッションの山から小さな包みを取り出した。

ガルは喜んでくれるだろうか……。
ドキドキと胸を高鳴らせつつ大きな手の平に包みを乗せれば、小さな包みがさらに小さく見える。
よいしょと、元通りガルの膝に乗り上げて声をかけた。

「もう、目を開けていいですよ」

「……これは?」

ガルが手の中の包みに目を落とす。
生成きなりの布を臙脂えんじ色のリボンで縛っただけの、簡素なラッピング。

「あの……ガル様に。……料理長に手伝ってもらって、作ったんです」

ガルの指が慎重にするするとリボンを解けば、はらりと開いた布の中から数枚のクッキーが現れた。
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