ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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61~70話

67、クリスマス番外編 12月24日

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ダメ元で料理長に直談判したお願いが快諾され、今日は日中ずっとキッチンに入り浸っていた。

しっかりと両手で抱いた小さな包みを明日まで隠しておくべく、隠し場所を求めてうろうろと室内をさ迷う。

「うーん……」

クローゼットの自分の服の中に隠そうかと思ったけれど、私を着替えさせるのはガルだからすぐに見つかってしまうだろう。

ガルが触れそうにない場所……。
視界の端で主張してくる水瓶は無視だ無視。未使用とはいえ、あんな用途の物の中に隠せる訳がない。

「あ!」

ピンクのマットの敷かれた一角に目をつける。
マットの上には、ガルが私用にと買ってきてくれたぬいぐるみやクッションが積み上がっている。

クッションの山に埋めるようにして包みを隠すと、上からポスッとぬいぐるみをおいた。

「……これでよし!」

ここならガルも触らないだろう。


廊下を走ってくる足音が聞こえる。

ダダダダ……

バタンッ

「ガル様、おかえりなさい!」

「ああ、ただいま」

腕を伸ばして抱擁を受け入れれば、そのままひょいと抱き上げられる。
ソファへと向かいながら、ガルはすんすんと私の髪に鼻を埋めた。

「ん? 甘い匂いがするな」

「あ、えっと……昼間のお菓子の匂いだと……」

「そうか。とうとうマヤが菓子になったのかと思った」

「ふふっ」

そんな台詞さえ険しい顔のまま言うものだから、なんだか可笑しくて笑ってしまう。

「マヤはどこもかしこも甘いからな」

笑んだ唇に、誘われるようにガルが口付けた。



夜。ベッドに潜り込み、ガルの腕枕に頭を乗せる。

「明日はガル様が起きたらすぐに、私も起こしてもらえますか?」

いつもガルの方が先に起き出し、『気持ち良さそうに寝ていたから』と、私を起こさず仕事に出てしまうこともあるから。

「ああ、かまわないが……朝早いぞ?」

「はい! 大丈夫です」
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