ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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61~70話

64a、ご主人様は人目をわかっていない

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幸せで、幸せで。
腕の中のこの可愛らしい存在が俺の婚約者なのだと、世界中に自慢して歩きたいほどに。


マヤのウェディングドレスをオーダーするため、朝早くからドレス専門店へと出向く。
俺が幼少の折から、母のドレスの仕立てにと屋敷に出入りしていた馴染みの店だ。

今回も屋敷に呼び寄せてもよかったのだが、相手を待つより自分が転移して行った方が手っ取り早い……というのは建て前で、実際はマヤと想いを通わせ式の準備をしているという現実に気が浮き立って、じっとなどしていられなかった。


当然同席するつもりでいた採寸からは締め出され、採寸を終えてマヤが出てくる頃にはもう時刻は昼に差し掛かろうとしていた。
せっかくの休日にこれほどの時間マヤと引き離されるとは……。
しかしこれも挙式の準備のためだと思えばやむを得まい。

外出ついでに昼食も外で済ませようと考えていたのだが、デザインの打ち合わせでマヤがあまりに可愛いことを言うものだから我慢がきかなくなってしまった。
店を飛び出し屋敷に取って返すと、マヤを隅々まで俺で染め上げる。

こんな時ばかりは人一人抱えて転移を繰り返しても魔力切れを起こさない魔力量の多さがありがたかった。
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