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61~70話
63b、ご主人様は使用人の反応をわかっていなかった ※
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慌てて耳を寄せればすぅすぅと寝息が聞こえる。
前戯から幾度も絶頂を迎え、疲れ果ててしまったのだろう。
「無茶をさせてすまない」
「んぅ……」
眠るマヤの額に口付け、惜しみながらもそっと自身を引き抜く。
どぷっと溢れた白濁が、ぼたぼたとシーツに落ちた。
愛液に濡れ、唾液に濡れ、鮮血と白濁がこびりつく。
マヤの純潔を散らした証は愛しいが、さすがにこのシーツのままで眠ることはできないだろう。
一旦マヤを無事なシーツの端の方に寝かせると、風呂の湯を溜めながらガウンを羽織って部屋を出る。
シーツ類を置いているリネン室は確か廊下の反対辺りにあったはずだ。
バサッ
凄惨なシーツを引き剥がし、持ってきた清潔なシーツを敷く。
マヤを抱きながら片手だけではシーツも依れてあちこちシワだらけだが、まあ寝られればいいだろう。
それでも呼び鈴で使用人を呼ばないのは、情事の後のこんなに可愛らしいマヤを誰の目にも触れさせたくないからだ。
マヤと共に風呂に入ってナカまで丁寧に洗ってやり、上がれば傷薬をしっかりと塗り込める。
寝衣を着せてベッドに寝かせると、俺も隣に潜り込んでマヤを抱きしめた。
腕の中の温もりにマヤを手に入れた幸せを噛み締めながら、ゆっくりと瞼を閉じる。
———まだまだ収まる気配のない欲望からは目を逸らして。
前戯から幾度も絶頂を迎え、疲れ果ててしまったのだろう。
「無茶をさせてすまない」
「んぅ……」
眠るマヤの額に口付け、惜しみながらもそっと自身を引き抜く。
どぷっと溢れた白濁が、ぼたぼたとシーツに落ちた。
愛液に濡れ、唾液に濡れ、鮮血と白濁がこびりつく。
マヤの純潔を散らした証は愛しいが、さすがにこのシーツのままで眠ることはできないだろう。
一旦マヤを無事なシーツの端の方に寝かせると、風呂の湯を溜めながらガウンを羽織って部屋を出る。
シーツ類を置いているリネン室は確か廊下の反対辺りにあったはずだ。
バサッ
凄惨なシーツを引き剥がし、持ってきた清潔なシーツを敷く。
マヤを抱きながら片手だけではシーツも依れてあちこちシワだらけだが、まあ寝られればいいだろう。
それでも呼び鈴で使用人を呼ばないのは、情事の後のこんなに可愛らしいマヤを誰の目にも触れさせたくないからだ。
マヤと共に風呂に入ってナカまで丁寧に洗ってやり、上がれば傷薬をしっかりと塗り込める。
寝衣を着せてベッドに寝かせると、俺も隣に潜り込んでマヤを抱きしめた。
腕の中の温もりにマヤを手に入れた幸せを噛み締めながら、ゆっくりと瞼を閉じる。
———まだまだ収まる気配のない欲望からは目を逸らして。
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