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51~60話

58b、ご主人様は私の愛をわかっていなかった

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「すべて俺が悪かった。すまないマヤ。だからどうか泣かないでくれ」

「ズズッ…………泣いてません」

瞳を潤ませ鼻頭を赤くしていては、何とも説得力のない。



「マヤは……本当に18歳なのか」

「ガル様?」

ぽつりと洩らした呟きにマヤの目がすがめられ、またも慌てて言い募る。

「いや、マヤを疑っているわけではなく! ただ……婚姻を結べる年齢なのかと……」

「この国の成人って何歳なんですか?」

「アスディウムでは15で成人となる」

「なるほど」

マヤは難しい顔でふむふむと頷くと、不思議そうな瞳を俺に向けた。

「ガル様は……私と結婚するつもりなんですか?」

「……勝手に婚約を取り付けたこと、本当にすまなかった。マヤを誰にも渡したくない一心で、共にいたいと言ってくれたマヤの言葉につけ込んだ。……許されることなら、もう一度やり直させてもらえないか」

覚悟を決めてそう口にすると、ソファを下り、マヤの前に跪いた。
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