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51~60話
58e、ご主人様は私の愛をわかっていなかった
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「……それは婚姻の了承と、受け取っていいのか?」
マヤがコクリと頷く。
「後から気が変わったと言っても、もう逃してやれないぞ?」
コクリ。
「マヤ……口付けても?」
これが幻ではないと、マヤの気持ちがちゃんと俺にあるのだと、確証が欲しかった。
躊躇いがちに頷こうとするマヤの唇を、頷きさえ待ちきれずに奪った。
俺のものだ……、俺のものだ……!!
甘い口腔を存分に味わいながら、ソファに片膝を乗り上げマヤを強く抱きしめる。
「んっ……んぅ……」
このやわらかな唇も、腕に収まる華奢な身体も、眼差しも吐息も何もかも。
ああ、マヤ。マヤ。愛している。
好かれるはずなどないと、自信のなさから騙すように婚約させた俺を。それでも好きだと、共に生きると言ってくれるのか。
俺のすべて、愛情までも受け入れて。
有り余る喜びに目の奥が熱くなる。
信じられない。
まさか本当に、マヤを手に入れられるなんて。
重ねた唇の隙間から、飲み下しきれなかった唾液が溢れマヤの顎を伝う。
勿体ない。
「……はっ、んむっ……」
唇を離せばマヤが必死に酸素を吸い込む。
首筋から顎まで滴る唾液を舐め上げると、再び口を塞いだ。
愛している。愛している。
触れた唇から、絡めた舌先から、抱きしめる腕から、全身に心地よい熱が回る。
抱えきれないほどの喜びが、身体中を満たして溢れ出る。
もっと、もっとマヤが欲しい。
マヤの何もかもすべてを。もっと。
「っはぁ……ガルさま、もっと……」
「……」
一瞬、自分の心が読まれたのかと思った。
口付けの合間に、マヤがうっとりと強請る。
同じ想いでいてくれるのか。
手早くマヤを横抱きに抱くと、すっくと立ち上がった。
「……? ガル、ん……」
濡れた唇に再び口付けを落とす。
大丈夫、気持ちはわかっている。
マヤがコクリと頷く。
「後から気が変わったと言っても、もう逃してやれないぞ?」
コクリ。
「マヤ……口付けても?」
これが幻ではないと、マヤの気持ちがちゃんと俺にあるのだと、確証が欲しかった。
躊躇いがちに頷こうとするマヤの唇を、頷きさえ待ちきれずに奪った。
俺のものだ……、俺のものだ……!!
甘い口腔を存分に味わいながら、ソファに片膝を乗り上げマヤを強く抱きしめる。
「んっ……んぅ……」
このやわらかな唇も、腕に収まる華奢な身体も、眼差しも吐息も何もかも。
ああ、マヤ。マヤ。愛している。
好かれるはずなどないと、自信のなさから騙すように婚約させた俺を。それでも好きだと、共に生きると言ってくれるのか。
俺のすべて、愛情までも受け入れて。
有り余る喜びに目の奥が熱くなる。
信じられない。
まさか本当に、マヤを手に入れられるなんて。
重ねた唇の隙間から、飲み下しきれなかった唾液が溢れマヤの顎を伝う。
勿体ない。
「……はっ、んむっ……」
唇を離せばマヤが必死に酸素を吸い込む。
首筋から顎まで滴る唾液を舐め上げると、再び口を塞いだ。
愛している。愛している。
触れた唇から、絡めた舌先から、抱きしめる腕から、全身に心地よい熱が回る。
抱えきれないほどの喜びが、身体中を満たして溢れ出る。
もっと、もっとマヤが欲しい。
マヤの何もかもすべてを。もっと。
「っはぁ……ガルさま、もっと……」
「……」
一瞬、自分の心が読まれたのかと思った。
口付けの合間に、マヤがうっとりと強請る。
同じ想いでいてくれるのか。
手早くマヤを横抱きに抱くと、すっくと立ち上がった。
「……? ガル、ん……」
濡れた唇に再び口付けを落とす。
大丈夫、気持ちはわかっている。
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