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51~60話

57b、ご主人様は私の歳をわかっていなかった

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「は? こんなに小さいのに、馬鹿を言うな」

無駄に俺の期待を煽るだけの笑えない冗談だ。
こんなに何もかもが小作りで愛らしく透き通るように無垢なマヤが、どうみたら成人に見えるというんだ。
8歳なら納得もできようが、言うに事欠いて18歳など現実味もない。

ウィルドの言葉を一蹴し、再びサラダにフォークを突き立てる。

「いや、本人から聞いたから確かだって! なー、マヤちゃん18だよな?」

「はい」

ウィルドの問いにマヤがこくりと頷く。
ああ、マヤにはまだこの国での歳の数え方を教えてやってなかったな。

「マヤ、この国では生まれた日から一年で一歳と数えるんだ」

「私の生まれた所でも同じです」

同じ?

「……一年の長さは?」

「365日」

365日の一年を、18度繰り返した?

「なら、本当に18歳なのか……?」

「はい……一応」

………………

………………

………………

「……様、ガル様」

くいくいと服が引かれる。
マヤの声に、反射的にギギギと首を向けた。

「ガル様は、私のことを何歳だと思ってたんですか?」

「きゅ……」

マヤの視線が険を増し、慌てて言い繕う。

「10歳くらい、かと……」

「10歳……」
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