ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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51~60話

55c、ご主人様は自制の限界をわかっていなかった ※

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…………………………


子犬の鳴くようなマヤの腹の音に慌てて遅い夕食を済ませれば、すぐに風呂の時間。
いつもの如く視線を逸らしながらマヤの服を脱がせる。

さすがにマヤの裸体を正面から直視してしまっては欲望の主張を抑えられる自信はない。
だが、今マヤが目の前で一糸纏わぬ姿に俺の瞳色の指輪だけをしているのだと考えたら……、一目……

グキッ

何を考えているんだ俺は!
勢いよく顔を背けすぎて首が妙な音を立てた気もするが、今はそれどころではない。

汝、秀でて強くあるべし
汝、弱き者を護るべし
汝、偽ることなかれ
汝、えーと、あー、なんだったか

「ガル様……? あの、私一人で入りましょうか……?」

恐らくこちらを見つめているだろうマヤに、顔を背けたまま答える。

「何を言う。マヤ一人では上手く身体を洗えないだろう。それに溺れでもしたら大変だ」

「はぁ」

手探りでマヤの身体を洗うのにも段々と慣れてきた。
どこを触れてもふにふにとやわらかな感触からは必死で意識を背ける。

湯をかけて泡を流すと、湯船に浸かってゆるくマヤを抱きしめた。

顔も見えていない後ろ姿であれば、なんとか視界に入れても平静を保っていられる。
濡れた髪を肩から前へ流すと、現れたほっそりと白い首筋に指で触れた。

「ああ、やはり無粋な首輪はない方がいいな」

「はい、首が軽くなりました」

嬉しそうなマヤの様子に、まるで婚約への喜びを共有できているかのようでじわじわと喜びが増す。
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