241 / 486
51~60話
55e、ご主人様は自制の限界をわかっていなかった ※
しおりを挟む
マヤを先に上げたのはいいが、俺も早く風呂から上がらなくては。
マヤ一人ではうまく着替えられず泣いているかもしれない。
何度振り払おうとしても頭の中を埋め尽くす先ほどの光景に、このまま冷水を浴び続けるより一度欲望を吐き出してしまった方が早いと判断した俺は、とうとう観念して風呂椅子に腰を下ろした。
先ほどのマヤの姿を思い浮かべながら、自身に手を添えゆるく扱く。
「……っ」
一瞬のことだったというのに、その光景は鮮明に脳裏に描き出される。
薄紅色に上気した頬、濡れた髪から滴る雫、嬉しそうにこちらを見る眼差しに、弧を描いて開かれた唇。
その唇に触れればふっくらとやわらかく、ひたりと吸い付くことを知っている。
剥き出しになった細い首筋を水滴が伝い、振り返る動きで波打った水面へと吸い込まれていく。
ゆらゆらと光を反射させる水面から透ける白く慎ましやかな双丘と、先端に色付く薄桃。
「っは……」
早まる手の動きが、ぐちぐちと濡れた音を立てる。
胸元を洗ってやるたび、視線を逸らしていても手の平をくすぐる小さな突起の感触に、どれほど理性を掻き乱されていることか。
極めつけは、すくい取った左手に輝いた小さな指輪だ。
俺の瞳の色をした小さな石が静かにその存在を主張して、マヤが誰のものであるかを明示する。
腕の中にすっぽりと抱きしめたマヤが、丸ごと俺のものになったのだ。
「マヤ……っ、マヤ……」
愛している。愛している。
嬉しそうに微笑む唇に口付けて、濡れたやわらかな肌を舐めあげて。
触れぬ場所などないほど満遍なく愛し尽くせたなら―――
「くっ……」
手の中の熱が大きく脈打ち、ドクリと白濁を吐き出した。
マヤ一人ではうまく着替えられず泣いているかもしれない。
何度振り払おうとしても頭の中を埋め尽くす先ほどの光景に、このまま冷水を浴び続けるより一度欲望を吐き出してしまった方が早いと判断した俺は、とうとう観念して風呂椅子に腰を下ろした。
先ほどのマヤの姿を思い浮かべながら、自身に手を添えゆるく扱く。
「……っ」
一瞬のことだったというのに、その光景は鮮明に脳裏に描き出される。
薄紅色に上気した頬、濡れた髪から滴る雫、嬉しそうにこちらを見る眼差しに、弧を描いて開かれた唇。
その唇に触れればふっくらとやわらかく、ひたりと吸い付くことを知っている。
剥き出しになった細い首筋を水滴が伝い、振り返る動きで波打った水面へと吸い込まれていく。
ゆらゆらと光を反射させる水面から透ける白く慎ましやかな双丘と、先端に色付く薄桃。
「っは……」
早まる手の動きが、ぐちぐちと濡れた音を立てる。
胸元を洗ってやるたび、視線を逸らしていても手の平をくすぐる小さな突起の感触に、どれほど理性を掻き乱されていることか。
極めつけは、すくい取った左手に輝いた小さな指輪だ。
俺の瞳の色をした小さな石が静かにその存在を主張して、マヤが誰のものであるかを明示する。
腕の中にすっぽりと抱きしめたマヤが、丸ごと俺のものになったのだ。
「マヤ……っ、マヤ……」
愛している。愛している。
嬉しそうに微笑む唇に口付けて、濡れたやわらかな肌を舐めあげて。
触れぬ場所などないほど満遍なく愛し尽くせたなら―――
「くっ……」
手の中の熱が大きく脈打ち、ドクリと白濁を吐き出した。
11
お気に入りに追加
3,299
あなたにおすすめの小説
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
責任を取らなくていいので溺愛しないでください
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。
だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。
※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。
※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。
嫌われ女騎士は塩対応だった堅物騎士様と蜜愛中! 愚者の花道
Canaan
恋愛
旧題:愚者の花道
周囲からの風当たりは強いが、逞しく生きている平民あがりの女騎士ヘザー。ある時、とんでもない痴態を高慢エリート男ヒューイに目撃されてしまう。しかも、新しい配属先には自分の上官としてそのヒューイがいた……。
女子力低い残念ヒロインが、超感じ悪い堅物男の調子をだんだん狂わせていくお話。
※シリーズ「愚者たちの物語 その2」※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる