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31~40話
31c、私はご主人様の誤解をわかっていない
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「はぁ? 6年って、なんだってそんな遅いんだよ。マヤちゃんの両親に反対されてるとか?」
「いや……さすがに、未成年と婚姻を結ぶのはまずいだろう」
ガルが気まずそうに答える。
私は呆然としたまま、口に差し入れられたサラダをシャクシャクと咀嚼した。
いつの間にか勝手に婚約は済ませているようなのに、結婚へのその線引きはなんなのだろう。
「未成年ってなんだ?? マヤちゃんは18だろ? もう成人済みだしなんも問題ねーじゃん」
「は? こんなに小さいのに、馬鹿を言うな」
「いや、本人から聞いたから確かだって! なー、マヤちゃん18だよな?」
「はい」
ウィルドの問いかけに同意すれば、ガルが真剣な表情でこちらを向く。
「マヤ、この国では生まれた日から一年で一歳と数えるんだ」
「私の生まれた所でも同じです」
「……一年の長さは?」
「365日」
どこかで聞いたやり取りだ。
「なら、本当に18歳なのか……?」
「はい……一応」
私の返答に、ガルはサラダの刺さったフォークを持ったまま、目を見開いて固まった。
なんだか物凄く驚かれている気がする。
フォークから落ちそうになるサラダをパクッと口で迎えに行っても、ガルはフォークを構えたまま微動だにしない。
何をそんなに驚くことがあるのだろう?
ともあれ、先ほどのガルの発言は聞き捨てならない。
「ガル様、ガル様」
くいくいと強めに制服の胸元を引っ張って呼べば、ガルはギギギとぎこちなく動作を再開した。
「いや……さすがに、未成年と婚姻を結ぶのはまずいだろう」
ガルが気まずそうに答える。
私は呆然としたまま、口に差し入れられたサラダをシャクシャクと咀嚼した。
いつの間にか勝手に婚約は済ませているようなのに、結婚へのその線引きはなんなのだろう。
「未成年ってなんだ?? マヤちゃんは18だろ? もう成人済みだしなんも問題ねーじゃん」
「は? こんなに小さいのに、馬鹿を言うな」
「いや、本人から聞いたから確かだって! なー、マヤちゃん18だよな?」
「はい」
ウィルドの問いかけに同意すれば、ガルが真剣な表情でこちらを向く。
「マヤ、この国では生まれた日から一年で一歳と数えるんだ」
「私の生まれた所でも同じです」
「……一年の長さは?」
「365日」
どこかで聞いたやり取りだ。
「なら、本当に18歳なのか……?」
「はい……一応」
私の返答に、ガルはサラダの刺さったフォークを持ったまま、目を見開いて固まった。
なんだか物凄く驚かれている気がする。
フォークから落ちそうになるサラダをパクッと口で迎えに行っても、ガルはフォークを構えたまま微動だにしない。
何をそんなに驚くことがあるのだろう?
ともあれ、先ほどのガルの発言は聞き捨てならない。
「ガル様、ガル様」
くいくいと強めに制服の胸元を引っ張って呼べば、ガルはギギギとぎこちなく動作を再開した。
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