ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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21~30話

24d、私は口付けの意味をわかっていない

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熱い舌が歯列を割ってさらに中へと入り込んでくる。
感触を楽しむようにやわやわと頬の内側を舐め上げ、上顎をくすぐり、私の口の中を自分の舌でないものが意思を持って動きまわる。

「……んー! んんーっ!」

ぐいぐいとガルのシャツを引っ張って訴える。

息が! 息が! もう限界!

「っは、……マヤ、鼻で呼吸して」

「はぁ、はぁ、……っ」

唇が離れた隙に慌てて口から息を吸い込むのを、待ちきれないとばかりにその呼吸ごとガルに飲み込まれる。

再び侵入してきた舌が、奥で縮こまる私の舌を見つけ出しぬるりと絡めとった。
溢れそうになる唾液ごとジュッとすすり上げられる。

「んむぅっ……んっ……」

さっきから身体がおかしい。
ガルの舌が擦れるたび、背筋をぞくぞくとした感覚が走る。
痺れのようなムズムズが全身に広がり、じっとしていられなくてもぞもぞと膝を擦り合わせる。

頬に添えられていたはずのガルの手の平はいつの間にか後頭部に回されて、未知の感覚から逃れようとする頭を押さえられ、これ以上ないと思っていた口付けがさらに深まった。

「ふっ……んぅ……」

まるで噛みつくような深い口付けに、ガルに食べられているような錯覚を覚える。

ぴちゃ……ちゅっ……

静かな部屋に響く微かな水音が耳からも私を侵す。

ぬるぬると擦り合わされ、くるりと絡みつき、自分の口の中にあるのがどちらの舌なのかさえわからなくなりそうだ。
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