ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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21~30話

24c、私は口付けの意味をわかっていない

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私の反応を窺いながら、口付けがおでこから瞼、目尻を通って頬へと移動していく。
ちゅ、ちゅ、と羽が触れるように優しく口付けられて、顔の表面がそわそわとくすぐったい。

「ふふっ」

くすぐったさに小さく笑いを洩らせば、ガルの唇が口の端に触れた。

ドクン

心臓が急に暴れ出すのを、表情に出さないよう必死に抑え込む。
もしまた私が変な反応をしてガルに嫌がっているのだと誤解されてしまえば、真面目なガルはもう二度とキスをしてくれないと思うから。

目を瞑り、口元には微かに笑みを浮かべたまま。

一度唇を離したガルは躊躇ためらうように数瞬を置いて、そしてゆっくりと、私の唇に口付けを落とした。

「!」

ビクリと身体が跳ねてしまわないよう、きゅっとお腹に力を込める。

ガルと触れ合うのは嬉しい。
抱きしめられるのも、撫でられるのも、こうしてキスされるのだって。
触れた部分からじんわりと身体中に何かが染み込んでくるようだ。

そっと触れるだけだった唇が、拒絶されないと見るや、次第に私の唇をむように動き出す。

ううう、恥ずかしい。恥ずかしい。……嬉しい。

閉じた唇のあわいを、何かを強請ねだるように濡れた感触が何度もなぞる。

「……っ、んん……っ」

息苦しさに口を開けば、その隙を見逃さずぬるりと舌が差し込まれた。
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