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21~30話
24e、私は口付けの意味をわかっていない
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歯の裏から舌の付け根から、もう舐められていない場所なんかどこにもないほどに口内を味わい尽くされて意識が真っ白に塗りつぶされた頃、ようやく唇が離れた。
「はっ……はっ……」
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……っ」
私の顔の両脇に手をつき覆いかぶさったガルが、揺らめく炎のような眼差しで私を見下ろしている。
あれ……? ガルの顔が真上にある……。
私はいつの間にソファに寝てたんだろう……?
唾液に濡れた唇を拭うのも忘れ、潤んだ瞳でぼんやりとその瞳の紅に見惚れる。
しばし無言で見つめ合った後、ふいとガルが視線を逸らした。
「…………少し頭を冷やしてくる」
それだけ言うと、ガルは覆いかぶさっていた身体を退け、私をソファに残したまま一人立ち去ろうとする。
私は慌ててガルのシャツの袖を掴んで言い放った。
「待って……! あ、あの! 今のも! 嫌じゃ、なかったですからね……!?」
霞がかった頭は上手く働かないし顔は熱すぎて爆発しそうだけれど、また誤解を与えないようにこれだけはちゃんと伝えておかなくては!
「マヤ……」
大胆な発言をする私に呆れたのか、ガルは片手で目元を覆ってしまった。
はしたないと幻滅されてしまっただろうか……。
「ガル様……?」
「ああ、わかった」
目元を赤く染めたガルはもう一度私に近付きちゅっと一つこめかみにキスを落とすと、くるりと踵を返し足早に浴室の方へと消えてしまった。
「あ、待って、ガル様……私も……」
今にも発火しそうなこの熱い頬を、冷たい水で冷やしたいのだけど……。
けれどフニャフニャに溶けた身体のどこにも力なんか入らなくて、ガルを追って起き上がろうとした私はまた、ポスンとソファに倒れ込んだのだった。
「はっ……はっ……」
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……っ」
私の顔の両脇に手をつき覆いかぶさったガルが、揺らめく炎のような眼差しで私を見下ろしている。
あれ……? ガルの顔が真上にある……。
私はいつの間にソファに寝てたんだろう……?
唾液に濡れた唇を拭うのも忘れ、潤んだ瞳でぼんやりとその瞳の紅に見惚れる。
しばし無言で見つめ合った後、ふいとガルが視線を逸らした。
「…………少し頭を冷やしてくる」
それだけ言うと、ガルは覆いかぶさっていた身体を退け、私をソファに残したまま一人立ち去ろうとする。
私は慌ててガルのシャツの袖を掴んで言い放った。
「待って……! あ、あの! 今のも! 嫌じゃ、なかったですからね……!?」
霞がかった頭は上手く働かないし顔は熱すぎて爆発しそうだけれど、また誤解を与えないようにこれだけはちゃんと伝えておかなくては!
「マヤ……」
大胆な発言をする私に呆れたのか、ガルは片手で目元を覆ってしまった。
はしたないと幻滅されてしまっただろうか……。
「ガル様……?」
「ああ、わかった」
目元を赤く染めたガルはもう一度私に近付きちゅっと一つこめかみにキスを落とすと、くるりと踵を返し足早に浴室の方へと消えてしまった。
「あ、待って、ガル様……私も……」
今にも発火しそうなこの熱い頬を、冷たい水で冷やしたいのだけど……。
けれどフニャフニャに溶けた身体のどこにも力なんか入らなくて、ガルを追って起き上がろうとした私はまた、ポスンとソファに倒れ込んだのだった。
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