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1~10話
8b、私はタオルの重要性をわかっていない
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「わ、きゃっ、待っ……!」
泡の付いた大きな手の平があちこちを滑るたび、くすぐったさに声が出てしまう。
夕食を終えたガルと私は、一緒にお風呂に入っていた。
三回目ともなるとすっかり一緒に入ることが当たり前になってしまっている。
しかもガルは昨日から、腰のタオルさえ身につけていない。
聞けば初日は、最初私を洗うだけのつもりだったらしい。
濡れても良いように服を脱いで私を洗い始めたものの、しかし途中から、どうせ濡れるなら一緒に入浴してしまった方が早いと思い直したのだと言う。
そこにガルが私を洗うのをやめるという選択肢はなかったのだろうか。
身に付けたタオルを外されないよう押さえることならできるけれど、さすがに全裸のガルの腰に自らタオルを巻くような真似はできない。
お尻の下に直に感じる熱い肌を、必死に意識から追い出す。
椅子だ椅子。私が今座っているのはただの温かい椅子。だってほら、硬いし。
何も考えるな。考えるな、感じるんだ。……違う違う、感じとるのはダメ。
ザバーッと湯をかけられ全身の泡が流れると、私はスルリと腕の中から抜け出して、風呂椅子に座るガルの背後に回った。
「私もお背中流します!」
これなら私も見られなくて済むし、ガルの危険地帯が見える心配もない。
一晩考えて浮かんだ名案だ。
泡の付いた大きな手の平があちこちを滑るたび、くすぐったさに声が出てしまう。
夕食を終えたガルと私は、一緒にお風呂に入っていた。
三回目ともなるとすっかり一緒に入ることが当たり前になってしまっている。
しかもガルは昨日から、腰のタオルさえ身につけていない。
聞けば初日は、最初私を洗うだけのつもりだったらしい。
濡れても良いように服を脱いで私を洗い始めたものの、しかし途中から、どうせ濡れるなら一緒に入浴してしまった方が早いと思い直したのだと言う。
そこにガルが私を洗うのをやめるという選択肢はなかったのだろうか。
身に付けたタオルを外されないよう押さえることならできるけれど、さすがに全裸のガルの腰に自らタオルを巻くような真似はできない。
お尻の下に直に感じる熱い肌を、必死に意識から追い出す。
椅子だ椅子。私が今座っているのはただの温かい椅子。だってほら、硬いし。
何も考えるな。考えるな、感じるんだ。……違う違う、感じとるのはダメ。
ザバーッと湯をかけられ全身の泡が流れると、私はスルリと腕の中から抜け出して、風呂椅子に座るガルの背後に回った。
「私もお背中流します!」
これなら私も見られなくて済むし、ガルの危険地帯が見える心配もない。
一晩考えて浮かんだ名案だ。
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