ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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1~10話

4b、私は扱われ方をわかっていない

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 ガルは入り口で立ちすくむ私の様子に気付かないままさらに奥の扉へ向かうと、中で何やら作業をしているようだった。
 ザーッと大量の水が流れる音がする。

 奥がお風呂場になってるんだ……

 なんだ、入浴の準備をしにきただけか、と安心したのも束の間。寝室に戻ってきたガルの言葉に、全身から血の気が引いた。

「じゃあ服を脱いで」

 言われた言葉が真っ白な頭の中をこだまする。

 フクヲヌイデ……フク、ふく……服を?脱いで?

 ああ、ここまでか。
 気遣わしげな態度と美味しい食事にすっかり油断していた。
 そうだ、私は愛玩奴隷として買われたんだった。

 なかなか動き出さない私を訝しんだガルは、「一人では脱げなかったか」と納得したように呟いて私のワンピースの裾に手をかけ、私がきつく握りしめているのも物ともせずにスポーンッとワンピースを剥ぎ取った。

 靴も下着も身につけさせてもらっていない私はそれだけで丸裸になる。

「っきゃ————!!!」

 脱がされたバンザイの体勢で呆然と固まっていたものの、状況に思考が追いつくと慌ててうずくまって身体を隠す。

「大丈夫大丈夫」

 いつの間に脱いだのかガルも腰にタオルを巻いただけの格好で、鍛え上げられた肉体を晒している。
 近くに寄り私の頭をひと撫ですると、膝を抱え込んで丸まった私をひょいと抱き上げて浴室へ向かった。
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