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41~50話

幸せな寝入りと想像もできない朝【上】 ※

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 ぺろりと私の唇に付いた唾液を舐めとって、クロが頭を起こす。

「また俺だけが達してしまったからな……。こそ、ヒナの快感に尽くすチャンスをくれ」

「いやっ、十分気持ちよか――ひぅっ!」

 私が言い終わるのも待たず、ナカに埋められたままの灼熱がぐっと奥を突き上げた。
 大きな手のひらがすっぽりと胸を包んで、唇に熱い吐息が触れる。

「絶頂に導けるよう尽力する……」

「そ――んむっ! んぐっ、んんーっ!」

 そんなに頑張ってくれなくて大丈夫ですけどー!?





「あっ、あぁっ、ダメっ! なんか、へんっ、だっ、めぇっ!」

 ビクビクと腰が浮けば、それを歓迎と受け取ったかのように深く灼熱が侵入する。

「っは、ヒナの『ダメ』は、気持ちいいと、っいう、意味だったのか」

「ちっ……、ちがっ、うぅ……っ!」

 ダメと言ったらダメという意味だ。ちゃんと聞いていただきたい。

 少しでも過敏に反応するとそこばかり攻められて、とてつもない情動が忍び寄る気配にひるみ、逃げ出したくなる。

 クロは私の左脚を肩に担ぎ、反応の強い場所を狙いすませて深く抉った。

「だめっ、もぉっ……んんっ! クロぉ……!」

 イヤイヤと首を振っても抽挿は激しくなる一方で、下りられないほどの高みまでぐんぐんと押し上げられていく。
 助けを求めて手を伸ばせば、指を絡めてしっかりと握り返された。

「俺だけを、っ感じて、いてくれ。っは……ヒナ、愛している」

「ひぁ……っ!」

 幸せに満たされた途端、無意識にぎゅううとナカが締まって灼熱の存在をありありと感じた。

 隘路を強く擦り上げられ、変になってしまう場所を重点的に突かれ。
 張り詰めて、張り詰めて、限界まで――

「やっ、クロ、クロっ、っ――――――んんんぅっっ!!!」

 クロの手のひらをきつく握りしめ、右のつま先がシーツを蹴る。
 衝撃に貫かれるまま弓なりに背をしならせ、すがるように、求めるように、ただひたすらに灼熱を締め付けて奔流に溺れる。

「――――っっ!」

「ぐっ――」

 ひくひくと痙攣する内部に、温かな熱が広がっていく。

 ああ……、クロも一緒に、達せた……。

 果てしない多幸感に意識がふわりと浮き上がり、反面身体は鉛のような疲労感に呑み込まれていく。
 ずしりと重さを増した瞼に抗う力も残ってはおらず、私は満ち足りた気持ちで視界を閉じた――。
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