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41~50話
まだちっちゃい!?【上】
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「――っ、うぅ……」
手を付いて、ふらふらと上体を起こす。
明滅する視界を何度か強く瞬くと、徐々に周りの景色が戻ってきた。
部屋中全部、縮んじゃったみたい……。
あんなに巨大だったソファも、ローテーブルも、棚も、何もかもが大きさを失って、毎日見ていたクロの部屋が全然違う景色に見える。
視線を落とせば見慣れた自分の身体。
意味もなくグーパーと手を動かしてみる。違和感はない。
横たわっていたソファからそっと脚を下ろすと、足の裏がやわらかな絨毯に触れた。
「足が届く……」
「ヒナ、どうなった!? 無事か!?」
心配そうにしながらも、ちゃんとあちら側を向いていてくれるクロに笑みが零れる。
踏みしめた絨毯のようにふわふわと浮き立った心地で立ち上がると、裸の身体にクロのジャケットを羽織り、ボタンをすべて留めきるのももどかしくクロの背中へと駆け寄った。
「クロ! 私大きく――」
振り向きざまにガバッと抱きすくめられる。
「ヒナ……!」
触れた胸から、ドッドッドッドと速い鼓動が伝わってくる。
――ああ、そっか。クロも私と同じくらい不安だったんだ。
自分のことでいっぱいいっぱいで、そんなことにも気付かなかった。
恐る恐る腕を伸ばして、私からもクロを抱きしめ返す。
全身で抱擁を受け止められることが嬉しい。クロを両腕いっぱいに抱きしめることが、逞しい腕できつく抱きしめられることが、こんなにも心地いいなんて初めて知った。
「どこか異常はないか? 痛む所は?」
「ううん、どこもなんともないです」
少なくとも自分で見える範囲に異常はなかった。痛みや違和感もないし、無事に大きくなれたと見ていいだろう。
「そうか。無事に薬が効いたようでよかっ――」
安堵の表情で屈めていた身体を起こしたクロは、遥か頭上、頭二つ分高い位置から私を見下ろして固まった。
手を付いて、ふらふらと上体を起こす。
明滅する視界を何度か強く瞬くと、徐々に周りの景色が戻ってきた。
部屋中全部、縮んじゃったみたい……。
あんなに巨大だったソファも、ローテーブルも、棚も、何もかもが大きさを失って、毎日見ていたクロの部屋が全然違う景色に見える。
視線を落とせば見慣れた自分の身体。
意味もなくグーパーと手を動かしてみる。違和感はない。
横たわっていたソファからそっと脚を下ろすと、足の裏がやわらかな絨毯に触れた。
「足が届く……」
「ヒナ、どうなった!? 無事か!?」
心配そうにしながらも、ちゃんとあちら側を向いていてくれるクロに笑みが零れる。
踏みしめた絨毯のようにふわふわと浮き立った心地で立ち上がると、裸の身体にクロのジャケットを羽織り、ボタンをすべて留めきるのももどかしくクロの背中へと駆け寄った。
「クロ! 私大きく――」
振り向きざまにガバッと抱きすくめられる。
「ヒナ……!」
触れた胸から、ドッドッドッドと速い鼓動が伝わってくる。
――ああ、そっか。クロも私と同じくらい不安だったんだ。
自分のことでいっぱいいっぱいで、そんなことにも気付かなかった。
恐る恐る腕を伸ばして、私からもクロを抱きしめ返す。
全身で抱擁を受け止められることが嬉しい。クロを両腕いっぱいに抱きしめることが、逞しい腕できつく抱きしめられることが、こんなにも心地いいなんて初めて知った。
「どこか異常はないか? 痛む所は?」
「ううん、どこもなんともないです」
少なくとも自分で見える範囲に異常はなかった。痛みや違和感もないし、無事に大きくなれたと見ていいだろう。
「そうか。無事に薬が効いたようでよかっ――」
安堵の表情で屈めていた身体を起こしたクロは、遥か頭上、頭二つ分高い位置から私を見下ろして固まった。
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