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6章 切り裂きジャックの謎
シャブ漬け天国
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「警察を呼んだほうがいいんじゃない?」
震える唇で、やっとのことでそう切り出した。アーティはため息をついて私をギロリと睨んだ。早足で校長室へ向かう。
「犯人は分かりきってるだろ」
「でも――」
「てか兄貴はこんなときに何してんだ」
アーティは小さく悪態をついた。突然、階段の一番上で立ち止まる。私のほうを振り返って、いつになく真剣な眼差しで見つめてくる、
「お前さ」
「なに?」
「クスリとかやってないよな?」
やれやれ、これだから勘のいいガキは嫌いだ。能が焼き切れるような浮遊感、快感。もうずっと昔の、それも前世の出来事なのに昨日のことのように思い出した。
「アヘンとコカインはやばいよ、ダウナーとアッパーで行ったり来たりしちゃう」
「うわ……引くわ」
アーティが目を細めて後ずさった。これまでモードお兄様に向けていた、軽蔑の眼差しを私に向ける。変なところでマトモなんだから。やっぱりコイツのこと、嫌いだ。
「私はマリファナだけだよ」
「それ、あんまり人前で言うなよ」
階段を上りきった先の、校長室に続く深い藍色の絨毯を踏みしめる。アーティは私から視線を逸らし、まっすぐ前を向いて歩を進めた。
「医療用だし」
「ヤクに医療用も嗜好用もあるかよ」
「えー、流行ってるんだよ~。おっくれってる~!」
茶化してみせたが、アーティは大きく息を吐く程度のリアクションしか見せなかった。あのシャーロック・ホームズだってヤク中なんだから別に良くない? 殺人と違って、法律違反ってわけでもあるまいし。
震える唇で、やっとのことでそう切り出した。アーティはため息をついて私をギロリと睨んだ。早足で校長室へ向かう。
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「でも――」
「てか兄貴はこんなときに何してんだ」
アーティは小さく悪態をついた。突然、階段の一番上で立ち止まる。私のほうを振り返って、いつになく真剣な眼差しで見つめてくる、
「お前さ」
「なに?」
「クスリとかやってないよな?」
やれやれ、これだから勘のいいガキは嫌いだ。能が焼き切れるような浮遊感、快感。もうずっと昔の、それも前世の出来事なのに昨日のことのように思い出した。
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階段を上りきった先の、校長室に続く深い藍色の絨毯を踏みしめる。アーティは私から視線を逸らし、まっすぐ前を向いて歩を進めた。
「医療用だし」
「ヤクに医療用も嗜好用もあるかよ」
「えー、流行ってるんだよ~。おっくれってる~!」
茶化してみせたが、アーティは大きく息を吐く程度のリアクションしか見せなかった。あのシャーロック・ホームズだってヤク中なんだから別に良くない? 殺人と違って、法律違反ってわけでもあるまいし。
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