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2章 メフィストフェレス
極夜の呪い返し
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「お、は、よー! 朝だぞ!!!」
「……なんだ、またお前か」
こうやって叩き起す癖、なんとかならんのか。アーティはいつもそうするように、指を鳴らしてカーテンを開けた。まだ重い瞼を擦る。昨日はパーティは参加せず部屋に戻ったのに、なかなか寝つくことができなかった。
目を開いても、いつものように窓から眩しい光が差し込むことはなかった。不思議に思って目を凝らす。昨日のように、雨が降っている気配もない。
「まだ夜じゃない?」
よかった~、まだ寝られる。無理に開けようとした瞼を閉じ、ベッドに横たわる。すかさずアーティが、布団をバシバシと叩き始めた。うるさいなぁ。寝返りを打って、キツく目を閉じる。
「それがもう昼の十二時なんだよ」
「誰がそんな冗談信じるわけ?」
布団を被って丸くなる。アーティが大袈裟にため息をつくのが聞こえた。顔を出すと、部屋のランプや、シャンデリアに煌々と灯りがついていた。アーティは窓枠に座って足を揺らした。不安定な場所に人間の体重がかかり、ギシギシ音が鳴る。
「なんでかわからないけど、昼がこなくなった」
「はぁ?」
まだ眠い頭が働こうとしていない。アーティの真剣な声色からは、冗談だと一蹴するにはいささか無理があった。ゆっくり、緩慢な動きで起き上がる。頭がぼんやりして、何度も欠伸をする。
「兄貴は、俺が変な召喚魔法を使ったからだって」
「あーね」
お兄様の力を持ってしても対応できないのか。たしかにこんなイベント、ゲームではなかった。夜が明けないロンドンの街がどうなってしまうのか、想像がつかない。
「でも、俺夜好きだから、いいかな~」
アーティが性格の悪そうな笑顔を浮かべた。コイツのポリフィリン症も、モードお兄様のシャナニー? とかいう変な趣味も、もしかしたら遺伝なのかも。
ここでは、遺伝病も呪いとして扱われた。たとえば、王家に伝わる血友病はその中でもかなり有名で、かつてまともに授業を受けていなかった私ですら知っている。
にしてもまずいことになった。このままでは、原作からどんどん外れていってしまう。これはある意味、私のせいかのかも。だってお兄様を殺せていれば、アーティはあの魔導書で召喚の儀式をすることだってなかったし……。
「アンタが召喚したんでしょ、なんとかしなさいよ!」
焦りからか、声を荒らげてしまう。冷や汗が背中を伝った。鏡台の櫛を手に取って長い髪を梳かす。アーティは面倒臭そうに顔をしかめた。
「わかってるって、すぐ帰し方を探すよ」
「デュフフ、拙者はメフィスト様と一緒ならいくらでもここにいられますが……コポォ」
急にあの、キモオタボイスが聞こえてきて勢いよく振り返った。開けっ放しのドアからテツオがこちらを覗いている。まだ着替えてないし、さすがにやめて欲しいんですが……。驚いて喉がヒュっと鳴る。
「きっしょ!」
「ひぇぇ、もっと言ってください!」
どうしよう、なにを言っても無駄みたいだ。ドMなんだろうか。ま、まぁメフィスト推しってことはそういうことなのかもしれない。アーティが手を叩いてゲラゲラ笑った。
「こいつ、兄貴に似てんじゃん? お前好きだろ」
「お兄様と一緒にしないで!」
たしかにドMかもしれないけど! 全然違うってば! テツオは気持ち悪いニヤケ面を隠そうともせず、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
「デュフ、※ただしイケメンに限る、ってやつですなっ!」
「何言ってんだこいつ」
アーティが怪訝そうに眉をひそめた。テツオはゆっくり、しかしじわじわ確実に私の部屋に侵入し距離を縮めてきた。髪を整え終えて立ち上がる。
「とにかく、アンタは責任を持ってこのキモオタをなんとかしなさいよ!」
窓枠に座ったまま、のんびりしているアーティに向かって語気を強める。アーティは冷ややかな視線を私に向けた。足をぶらぶら揺さぶるのをやめて、勢いをつけて床に足をつけた。スキップをしながら手を振って私の部屋を横断する。
「はいはーい。アイツを殺さずにいるんだから、もっと感謝しろよ」
「ッチ」
チラッとこっちに視線をやって、それから立ち止まることなく部屋を出ていった。いちいち恩着せがましいのよ。舌打ちをして腕を組んだ。
テツオはアーティの去っていたほうをチラチラ振り返り、一番近くの椅子に腰を下ろした。
「昼間がこなくなったのは拙者のせい、でござるか?」
「え……あ、いや、そんなことないよ」
しょんぼり絨毯に視線を落とす。たしかにキモいけど、コイツのせいじゃない。メイトで買い物してただけなのにいきなり召喚されて、ちょっと可哀想かも。同情して、少しだけテツオに歩み寄る。顔を上げた彼と目線がかち合った。
「だってゲームではそんなこと――っていや、今のナシで」
「げーむ?」
夢を壊してはいけない。だから知らないフリをした。
だって現実はクソで、だからせめて妄想の中では都合よくいきたいから。やっと会えた推しがメフィストじゃないなんて、私なら死んでも知りたくない。いや、モーディ様はホンモノだけどね!
「……きっと私のせいだよ」
「そんなことないでござる!」
小さく嘆息することしかできない。テツオの、オタク特有の純粋な視線に耐えられず目を逸らした。私とは違う。テツオは、薬局で薬を買うよりも、推しが出るまでグッズをボックス買いする人種なんだから。
「でも、モード氏が生きてるルートなんてあったかなぁ……」
ボソッと呟いた声は聞こえないフリをした。だって知らないほうが幸せなことって、現実にはたくさんある。
「……なんだ、またお前か」
こうやって叩き起す癖、なんとかならんのか。アーティはいつもそうするように、指を鳴らしてカーテンを開けた。まだ重い瞼を擦る。昨日はパーティは参加せず部屋に戻ったのに、なかなか寝つくことができなかった。
目を開いても、いつものように窓から眩しい光が差し込むことはなかった。不思議に思って目を凝らす。昨日のように、雨が降っている気配もない。
「まだ夜じゃない?」
よかった~、まだ寝られる。無理に開けようとした瞼を閉じ、ベッドに横たわる。すかさずアーティが、布団をバシバシと叩き始めた。うるさいなぁ。寝返りを打って、キツく目を閉じる。
「それがもう昼の十二時なんだよ」
「誰がそんな冗談信じるわけ?」
布団を被って丸くなる。アーティが大袈裟にため息をつくのが聞こえた。顔を出すと、部屋のランプや、シャンデリアに煌々と灯りがついていた。アーティは窓枠に座って足を揺らした。不安定な場所に人間の体重がかかり、ギシギシ音が鳴る。
「なんでかわからないけど、昼がこなくなった」
「はぁ?」
まだ眠い頭が働こうとしていない。アーティの真剣な声色からは、冗談だと一蹴するにはいささか無理があった。ゆっくり、緩慢な動きで起き上がる。頭がぼんやりして、何度も欠伸をする。
「兄貴は、俺が変な召喚魔法を使ったからだって」
「あーね」
お兄様の力を持ってしても対応できないのか。たしかにこんなイベント、ゲームではなかった。夜が明けないロンドンの街がどうなってしまうのか、想像がつかない。
「でも、俺夜好きだから、いいかな~」
アーティが性格の悪そうな笑顔を浮かべた。コイツのポリフィリン症も、モードお兄様のシャナニー? とかいう変な趣味も、もしかしたら遺伝なのかも。
ここでは、遺伝病も呪いとして扱われた。たとえば、王家に伝わる血友病はその中でもかなり有名で、かつてまともに授業を受けていなかった私ですら知っている。
にしてもまずいことになった。このままでは、原作からどんどん外れていってしまう。これはある意味、私のせいかのかも。だってお兄様を殺せていれば、アーティはあの魔導書で召喚の儀式をすることだってなかったし……。
「アンタが召喚したんでしょ、なんとかしなさいよ!」
焦りからか、声を荒らげてしまう。冷や汗が背中を伝った。鏡台の櫛を手に取って長い髪を梳かす。アーティは面倒臭そうに顔をしかめた。
「わかってるって、すぐ帰し方を探すよ」
「デュフフ、拙者はメフィスト様と一緒ならいくらでもここにいられますが……コポォ」
急にあの、キモオタボイスが聞こえてきて勢いよく振り返った。開けっ放しのドアからテツオがこちらを覗いている。まだ着替えてないし、さすがにやめて欲しいんですが……。驚いて喉がヒュっと鳴る。
「きっしょ!」
「ひぇぇ、もっと言ってください!」
どうしよう、なにを言っても無駄みたいだ。ドMなんだろうか。ま、まぁメフィスト推しってことはそういうことなのかもしれない。アーティが手を叩いてゲラゲラ笑った。
「こいつ、兄貴に似てんじゃん? お前好きだろ」
「お兄様と一緒にしないで!」
たしかにドMかもしれないけど! 全然違うってば! テツオは気持ち悪いニヤケ面を隠そうともせず、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
「デュフ、※ただしイケメンに限る、ってやつですなっ!」
「何言ってんだこいつ」
アーティが怪訝そうに眉をひそめた。テツオはゆっくり、しかしじわじわ確実に私の部屋に侵入し距離を縮めてきた。髪を整え終えて立ち上がる。
「とにかく、アンタは責任を持ってこのキモオタをなんとかしなさいよ!」
窓枠に座ったまま、のんびりしているアーティに向かって語気を強める。アーティは冷ややかな視線を私に向けた。足をぶらぶら揺さぶるのをやめて、勢いをつけて床に足をつけた。スキップをしながら手を振って私の部屋を横断する。
「はいはーい。アイツを殺さずにいるんだから、もっと感謝しろよ」
「ッチ」
チラッとこっちに視線をやって、それから立ち止まることなく部屋を出ていった。いちいち恩着せがましいのよ。舌打ちをして腕を組んだ。
テツオはアーティの去っていたほうをチラチラ振り返り、一番近くの椅子に腰を下ろした。
「昼間がこなくなったのは拙者のせい、でござるか?」
「え……あ、いや、そんなことないよ」
しょんぼり絨毯に視線を落とす。たしかにキモいけど、コイツのせいじゃない。メイトで買い物してただけなのにいきなり召喚されて、ちょっと可哀想かも。同情して、少しだけテツオに歩み寄る。顔を上げた彼と目線がかち合った。
「だってゲームではそんなこと――っていや、今のナシで」
「げーむ?」
夢を壊してはいけない。だから知らないフリをした。
だって現実はクソで、だからせめて妄想の中では都合よくいきたいから。やっと会えた推しがメフィストじゃないなんて、私なら死んでも知りたくない。いや、モーディ様はホンモノだけどね!
「……きっと私のせいだよ」
「そんなことないでござる!」
小さく嘆息することしかできない。テツオの、オタク特有の純粋な視線に耐えられず目を逸らした。私とは違う。テツオは、薬局で薬を買うよりも、推しが出るまでグッズをボックス買いする人種なんだから。
「でも、モード氏が生きてるルートなんてあったかなぁ……」
ボソッと呟いた声は聞こえないフリをした。だって知らないほうが幸せなことって、現実にはたくさんある。
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