INFECT-とある晴れた日の平凡な日常の事。-

いつも通りの穴の中

洞穴に逃げ込んでから2時間くらいたった。
 
さて、これからどうしよう。
 
健一郎たちは上手く逃げ切っただろうか。
 
「あれ、ここはどこですの？」
 
「お、目を覚ましたか。ここは昔健一郎と勇治と掘った秘密基地だよ。」
 
「夢じゃ、、なかったんですのね。」
 
「ああ、どうやらそうらしい。正真正銘、現実の出来事だ。」
 
「あの方たちはいったい何ですの？何で私たちは追いかけられていますの？皆は無事ですの？」
 
こっちが聞きたいくらいだ。
 
「俺も何もわからないんだ。さっきから皆に連絡してるけど誰もでやしない。」
 
「そう、、ですわよね。ごめんなさい。」
 
「謝る事じゃないさ。」
 
そういって俺は立ち上がった。
 
「どうされますの？」
 
「とりあえず一回家に戻ろうかと思って。親なら何か知ってるかもしれないし。」
 
「私もいきますわ。」
 
その時、ガサガサ、ガサガサ。
 
入口付近で物音がする、まさかここがバレたか。
 
物音はどんどん近づいてきて、ついに穴の中に入ってきた。
 
俺と楓は必死に存在を消す。
 
そして薄暗い穴の中の俺たち二人を懐中電灯が照らした。
 
「やっぱり、お前ならここにいると思ったよ。」
 
そこに立っていたのは、、、
 
「健一郎！！！お前無事だったか！！」
 
2人で抱き合う。
 
「本当によかったですわ。」
 
楓もほっとしているようだ。                                                                         
 
「よかった、本当にどうしようかと思ったよ。他の2人は？」
 
「それがさ、あの2人めちゃめちゃ足早いのな。置いていかれちまってさ、一人でなんとかここまで来たんだ。」
 
「そっか、、、、。よく見たら泥だらけじゃねぇか、とにかくお前が無事でよかった。」