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四章『トマト編』
第324話 冒険者になろう
しおりを挟む「勇者としての責務ですか」
「そうだ、分かるだろう?」
わからないよぉ。お家に帰ってスローライフを満喫したいよぉ。
「勇者であるバーガーは、魔王を討ち滅ぼす使命を帯びている」
王さま今度は本気だなぁ。
・・・・・・タスレ村の人たちには言ってくれるらしいし、魔王を倒すまで、ここで暮らしてもいいかなぁ。
でもアイナの意見も聞かないとな。アイナがホームシックになるなら断らないといけない。
「バーガー様」
アイナは俺を見ている。俺の頬に手を当てると呟いた。
「私は大丈夫です。どこまでもお供しますよ」
よし、魔王ぶっ殺そう。
ここでアイナと愛の巣を築き上げ、そのついでに魔王を倒し、そして平和をゲットするんだ!
「わかりました、王さま」
「おお、わかってくれたか」
「はい、必ずや魔王を倒します」
「うむ。それだけ小さな体で、それだけの覚悟を持っているとは、やはりお主は紛うことなき勇者だ」
王さまはウキウキで2つの紙を取り出す。
「それは?」
「勇者としてのスキルを磨くのに適した場所が2つある」
2つか、ここが運命の分岐点か。
「1つは『聖騎士』として私の聖騎士軍団に入ること、言わずもがな、最高の訓練設備、最新のアイテムが随時支給される。効率で言えばこっちがおすすめだ」
「なるほど、もうひとつは?」
「もう1つは『冒険者』だ。様々なクエストをこなし、Sクラスの冒険者にもなれば聖騎士の実力者とも対等に渡り合えるようになる。無論、安全は聖騎士より保証されない、はっきり言って危険だ。だがそれを乗り越えればオリジナルの強さが身につくだろう」
うーん、悩むなぁ。
聖騎士か冒険者。ジョブとしては聖騎士の方が国営だから安定した生活が遅れそうだ。ってなんでそんな庶民目線で見ているんだ! 俺は勇者だ! 勇者目線でものを見なくては!
「俺はどっちに入ればいいんだろうか、アイナはどう思う?」
「私が決めることではないと思いますが、私は冒険者になってみたいです」
「よし、冒険者になろう」
あれ、でも学校とか通わないのかな?
「冒険者だな、分かった。手続きは冒険者ギルドで行うといい」
「王さま」
「なんだ?」
「学校には行かなくていいんですか?」
「もちろん、学校にも通ってもらうぞ。それらは後で説明しよう。今日のところは帰ってまた来るがいい」
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