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二章『パテ編』
第133話 キラーキラー27
しおりを挟む現在絶賛落下中。
と、そんな悠長にしている場合じゃないな。アイナに抱きしめられていても落下は止まらない。
俺は解析を開始する(忘れていたわけじゃないぞ)。『混合肉を確認。飛行(フライング)ペンギン、飛翔(スカイワード)ドードー、跳躍(ハイジャンプ)オストリッチから天使(エンジェル)の翼(ウイング)を生成、1回使用可能』
お、なんかいいのを引いたな! 早速発動!
「『天使(エンジェル)の翼(ウイング)』」
ハンバーガーの魔人の肩甲骨の辺りから大きな白い翼が生える。うわぁ······筋肉の天使さんだよ······カッコいいな!
「アイナ、俺に捕まっていろ!」
「はい!」
俺はアイナの胸に潰されそうになりながらも、生えたばかりの翼を使って空気を下に叩きつける。筋肉の塊が無理やり空中に留まる。
む、どうやら力ずくで飛ぼうとしなくても浮くみたいだな。天使の翼ってそんなに羽ばたいてないもんな。魔法的な何かがなんかして浮いているんだろうな!
「バーガー様! 皆を助けないと!」
「おっと」
俺が助けに行こうと下を見る。エリノアがジゼルに手を伸ばしているところだ。
「ジゼル! ミーの腕に捕まれ!」
エリノアの差し伸べた手をジゼルが両手でしっかりと掴むと、エリノアは体を傾けて絶壁に近づいていく。そして折れずの剣を壁に突き刺す。
「んにゃあああああ!!」
ダメだ、止まらない。
エリノア1人なら何とかなったのかもしれないが、今は2人分の体重がかかってしまっている。
だが僅かな減速をジゼルが見逃さない。
「岩壁(ロックウォール)!」
エリノアとジゼルの真下に、絶壁から岩の板が飛びだす。
しかし強度が足りず崩れ落ちてしまう。
「岩壁(ロックウォール)!!」
1枚目で減速したため、2枚目でようやく止まることができた。
かなり下に落ちてしまったが、岩壁(ロックウォール)で足場を作り登ってきている。
そしてサガオはというと。
「おお! さすがは勇者パーティ! この程度の事態にはまったく動じないのだな!」
いや、俺はやばかったけどね······。と、今はサガオの姿だ。
「サガオ、その姿は?」
「ふふ、俺が海を渡ってここまで逃げて来れたのはこのおかげだ」
そう、サガオは飛んでいるのだ。
4本の足が変形してジェットエンジンのように足底から青い魔法の炎を勢いよく吹き出している。
その他の姿も変わっており、まるで太いロケットのようなデザインになっている。
ヒマリはというと、気は失ってしまっているようだが、サガオの2本の腕に抱かれている。
「バーガー様! 小龍(ワイバーン)たちが来ます!」
真上から小龍(ワイバーン)たちが襲いかかってくる。
「この好機をみすみす逃すわけがないか。さぁ。第2ラウンドだ!」
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