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二章『パテ編』

第118話 キラーキラー12

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 あれがどういった機械かは分からない。分からないが、今ある判断材料から考えられる最悪のケースは、

「あれは兵器かもしれない」
「兵器ですか? 大砲とか、大きなスプーンで岩を飛ばしたりする」
「それは投石機(カタパルト)だ。そういうのとは違う次元のものに感じる、もっとハイテクというか」
「ハイテク? バーガー様はたまに難しい言葉を使います」
「ほら、あの機械から変な音がするだろ?」
「はい、あのギギギとかブォーンとかですね!」
「きっと複雑な仕掛けが施された兵器だ。これ以上近づかない方がいいだろう、戻って皆に報告だ」
「はい!」

 俺たちが戻ろうと踵を返したその時。

「生態ヲ補足。システム起動」

 不気味な機械音声が聞こえる。機会の塊の駆動音がより一層激しくなる。頭部と思わしき部分の一つ目が真っ赤に光り出す。

「暗闇ヲ感知。暗視モード起動」

 今こいつ暗視と言ったか? 俺の思っている以上の技術力か!

「アイナ、ここから離れろ!」
「は、はい!」

 この世界には物に怨霊が取り付いて魔物化するケースが多々ある。鎧とか石像にだ。しかし、こんな兵器に取り付くケースがあるのか? それにこの兵器は一体どこから······まさか、小龍(ワイバーン)と戦っていたのはこいつか!?

「敵生態ヲ分析。エルフ。······エラー。分析失敗。敵、エルフ、不明」

 おい! 不明なまま俺と敵対するな! ポンコツかこいつは!

「バーガー様、もう少しで村の入口です」
「よし、後ろは俺が見てるから全速力で走れ」
「はい!」

 兵器は、いや、機械兵と言うべきか。機械兵はあの場所から動いていない。目を光らせたままブツブツと機械音声を流している。

「レーザー起動。標準エルフ」
「アイナ! 伏せろ!」
「ファイア」

 伏せたアイナの真上を赤い光線が通り過ぎた。通り過ぎた先で大爆発を起こした。幸いな事に村には当たっていない。

 アイナは唖然としている、それも無理はない、この世界で現代のような兵器は無いのだから、というかレーザー光線なんて俺の世界でもレアじゃないか。

 ······こんなものを村に招き入れるのは勇者としてありえない。

 アイナは意を決したように口を開いた。

「バーガー様、このまま村に入るのは、村を巻き込むことになります」
「そうだな、いま村に入るわけにはいかないな」
「ここでアレを倒しましょう!」
「分かった、やるぞ!」
「はい!」

 俺達の声に呼応するように機械兵が立ち上がった。

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