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六章『ピクルス編』
第1157話 悪童の魔剣3
しおりを挟む俺とブラキリオンは真魔王城の庭園を歩く。
「拙者、失恋したでござる」
「え」
「上を見るでござるよ」
「メアの事か?」
そういやブラギリオンとずっと一緒だったな。今はギアのところに向かっているな。
「陰ながら守っていたでござるが、もうその必要もないほどに強くなったでござる、さすがは自由の魔女でござる、アリス氏に似て強くなった」
「それでもさ、諦めんなよ、必要不必要なんていう損得勘定は一緒にいるかどうかを決める理由にはならない、まったく関係ないんだ」
「ふ、メアリー氏が見ているの、ギアでござるよ」
メアの気配を辿ってみる、その視線の先にいるのは確かにギアだな、てかめっちゃ見てんな、あんなん絶対好きじゃん。
「拙者ぁ、メアリー氏の気持ちを優先したいんでござるよぉ」
「そんな……気持ちを伝えれば、もしかしたら、さ」
「それではメアリー氏の今の気持ちを曲げることになりかねないでござる、そして無論ギア氏を斬れば本末転倒、それこそ未来永劫、拙者は後悔し続けることでござろうよ」
「そうか」
相思相愛の俺とアイナは幸せものなんだな。
「でもさ、寄りにもよってギアを選ぶなんてな、仕事一筋で色恋沙汰なんて興味無さそうだぞ?」
「一本筋の通った気持ちのいい男でござる、そこに惹かれたんでござろうな、はっはっは、拙者もあれだけ弱ければひたむきになれたでござろうか、ふ、今は遠い昔でござるな」
広場に出る。
「大きくならなくていいんでござるか?」
「ん? ああ、今の俺は最大サイズと同じ強さだ、この広場ほどのスペースでもフルスペックで戦えるぞ、それに大きさなんて、あんたには関係ないだろ?」
「お見通しでござるな、では、メメ」
ブラギリオンのマントの影から魔剣が飛び出してきた。あのマントは魔剣なんだ、マントが闇の性質を持つ鞘であり剣ということか。
「久々でござる、久々でござるよ!」
「ああ!」
「いざ、いざ、いざ、いざいざいざいざ! いざ尋常に!」
「「勝負!!!!!」」
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