上 下
1,138 / 1,167
六章『ピクルス編』

第1136話 ヒーロー真拳

しおりを挟む

「で、自信満々のバーガーが戦うとしてだ、ここの守りはどうする」
「ん? それも俺がやるよ」
「あ? ワンマンチームじゃねぇんだぞ」
「知ってるけどさ、それくらい出来る」
「自信過剰か?」
「いやマジでもう、大丈夫だってホント、マジで、いける気しかしない」
「ギャハハハハハハッヒーーハーー!!!」

 イズクンゾの声だ。

「たった今、俺様は無限の異世界を喰らった、概念の存在になった、俺様という新しい理(ことわり)の誕生だ! もう誰にも負けることはない!」
「うし、じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい!」

 アイナたちに見送られ俺は筋肉ワープ(ただ移動しただけ)する、一瞬で宇宙空間に降り立った。

「あーん? てめぇ、生身で宇宙空間に晒されてなぜ平気なんだァ? 魔法を使ってるわけじゃねぇだろぉ?」
「俺のいた世界にはそんな概念なかったからな、ただの無酸素運動だ、気にすることでもないだろう」
「岳人よぉ、勝ち誇った顔してんなぁ? 俺様はお前の世界も食ったんだぜ?」
「ならわかるだろ、俺には勝てないぞ」
「はん、この巨大な俺様にどう勝とうってんだぁ!!」

 宇宙の外から声がするな。ああ、なるほど、この空間も嘘偽り、やつの一部(ぶんしん)というわけか。

「じゃあ『外』まで行こっと」

 筋肉ジャンプする、空間を突き抜けて宇宙の外側にでる。

「やっと見えた」

 めちゃくちゃデカイな、頭が見えないというレベルじゃない、細胞一つだけでも見切れている、いややつに取っては原子の一部の一部の一部、エトセトラというわけか。

「ギャハハハハハハ! これだけデカくなりゃあよぉ! 俺様を攻略することなど絶対に不可能だぜぇ!! そして異世界を食らいまくったお陰で今の俺様は異能力、特殊能力、その他、全てを手に入れた! スキルでの戦いにおいても負けることは無い! 大きさこそ強さだぜ!」
「そんなに俺が怖いのか?」
「挫折を知らないのは怖いなぁ!! 岳人ぉ!!」

 空間が歪む、この宇宙ごと俺を引き裂くつもりか。
 力んでアイナたちの星の辺りを守る。そして俺自身は別に防御する必要は無い。

「んあ!?」
「空間が切れたとしても俺が斬れるわけないだろ、俺の筋肉はすでにキレッキレなのだから!」
「ギャハハハハハハ! ヒハ!! 切断されたという概念をくらっても平気なのか? まさしく女神の最高傑作だなぁ!」
「違うよ、筋肉を鍛えたのはこの俺だ、こっちも行くぞ」



 力を貸してください、俺の、俺の英雄(ヒーロー)たち!



「無限はよく分からんからできるだけたくさん……」
「は?」

 腕に力を装填(こめる)。
 釘をイメージ。うし! 一発目いくぞ!

「無限釘パンチ!!」
「!!?」



 ズドドドドドドドドドドド!! っと空間に大穴が空く。イズクンゾの足を粉砕した。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

ざまあ~が終ったその後で BY王子 (俺たちの戦いはこれからだ)

mizumori
ファンタジー
転移したのはざまあ~された後にあぽ~んした王子のなか、神様ひどくない「君が気の毒だから」って転移させてくれたんだよね、今の俺も気の毒だと思う。どうせなら村人Aがよかったよ。 王子はこの世界でどのようにして幸せを掴むのか? 元28歳、財閥の御曹司の古代と中世の入り混じった異世界での物語り。 これはピカレスク小説、主人公が悪漢です。苦手な方はご注意ください。

聖女の姉が行方不明になりました

蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...