現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

六章『ピクルス編』

第１１１４話 最悪の魔王14

「下の階まで取りに行くか！？」
「無駄だ、センサーで調べたが直接下の階に落としたわけじゃねぇ」

　ギアは投擲された確殺の槍を手に取った。

「だが、これでイーブンだろ」

　たしかにイズクンゾも武器を無くした。

「ぎひ」

　イズクンゾは足を上げ、ぐるりと回して地面に下ろす、腰を低くして構える。

「久々に使うかぁ！　魔王組手」
「強がりだ！」

　もう一度壁ドンラッシュだ、さっきの避け方なら学習した、例えかわされてもギアとサガオが決めてくれる。

「うおおーー！！　おお！！」

　俺はイズクンゾの背後の壁に叩きつけられていた。受け流された……それだけじゃない、殴るダメージが筋肉の精霊に……これは、

「死の力は偉大だよなぁ？　過去に喧嘩の強いヤツなんて幾らでもいるからよォ、その中で状況に適した者の技能(スキル)を魔王組手と合わせて使えば魔王に金棒だぜぇ！」
「スーの力を！！」
「違うね！　俺様の力だぁ！　ぎひーひ！　それだけじゃねぇぜぇ？」

　イズクンゾの周囲から黒い魔力が溢れたず。

「ネスの漆黒魔力か！」
「こいつは便利でよォ、なんにでもなる。死の神と暗黒の神の力を喰らって！　俺様に食われなぁ！」