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六章『ピクルス編』
第1040話 純悪の魔獣27
しおりを挟む見た目は変身前のシチューだ。
しかし放つ言葉は知性を感じさせる。
「魔獣(わたし)は人の困った顔が好きだ、君たちが絵画を愛でるように、魔獣(わたし)は君たちの歪んだ顔を好んでみる。魔獣(わたし)は人の悲鳴が好きだ、君たちが音楽を愛するように、魔獣(わたし)は君たちの絶叫をこよなく愛する」
「外道が……」
「外道なのだよ、ここは地獄で魔獣(わたし)は悪魔だ。悪魔として正しいことをしている、誰よりも他のどの魔物、魔獣、魔人よりも私は純血たる魔獣として君たちの前に立ちはだかっている」
間ができる。
互いに埋められない溝があることを再認識するのに十分な時間が流れる。
「中にいる者たちも殺すし、君たちも殺す、この世界に生きる生物を一片の肉片も残さずに殺し尽くす」
短い足を使いテチテチと歩き出す。
「それも楽しくだ」
目に見えないほどの体当たりでサガオを吹き飛ばした。
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