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六章『ピクルス編』

第998話 純悪の魔獣2

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「あの魔獣チワワ、幻覚とかじゃないよな?」

 俺の疑問にサガオが答える。

「俺の『超直感』が伝えるがあれは紛れもなく本物だ。大戦争で戦った時の威圧感をあれから感じるぞ!」

 じゃあ本当に倒したんだ。あの化け物を!

「進軍再開ーー」

 我者の腕が止まる。

「別個体か」

 またしてもこじんまりとした(見た目はあてにならない)魔獣チワワがいた。

「2匹いるのか……」
「いや、これは」

 あちこちから笑い声が聞こえる。それは穏やかな街の黄色い声。

 だがここは敵地。

 出てくるのは異形の怪物。
 サガオが驚愕した。

「まさかあの個体はただの分身だったというのか……」

 つまりあのレベルの魔獣がたくさんいるってことかよ!

「ほう、そうか、それならば魔王を守る番犬としては認めよう」
「我者様、そんな悠長にしている場合じゃないと思うんだが!」
「見ただろう、一振で倒せるのだぞ?対した驚異ではない」
「そ、そうか?」

 確かに言われてみればこっちには我者様がいるんだからな、ばしばし斬り捨てて進んでしまえばいいのか。

「ハッハッハッハッハッ!」

 バラバラだった魔獣チワワの声が一斉に揃い笑い出す。
 な、なんだ!?

「かみ、カミ、紙、髪、神、噛み、咬み 、嚼み」

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