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六章『ピクルス編』

第972話 悪愛の魔女53

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 スカリーチェの仮面が割れた。

「まさかこの灰界装甲が!?」
「何を驚いてやがる。ちょっとずつ削れてるって分かってたんだ、努力をして成果を出したまでだ死ね」

 ギアの拳がスカリーチェの顔面に突き刺さった。
 超振動させて拳を削りながら灰色の皮膚を突き破る。灰色の鮮血が飛び散る。

 その間にも灰界装甲の棘がギアを包こもうとする。それでもお構い無しに拳を奥へと押し込む。

 棘が刺さっていく。拳がめり込んでいく。


 拳が砕けた。もう片方の拳は棘を抑えるのに使っている。尻尾だってそうだ。手数が足りない。

「足りねぇか」

 ギアの本体がゴッドキラーのボディから飛び出す。
 そして回転してスカリーチェの顔面に飛び込んだ。

「まだ俺が残ってる」
「……ッ!!」

 高速回転。ギア自らが回転、歯車の突起部分で削っていく。

 身を削るとはまさにこの事だ。


 そしてーー
















 スカリーチェの棘が消滅した。腕をダランと垂らして宇宙空間に浮いている。

 倒したんだ。あの魔女を!!
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