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六章『ピクルス編』
第964話 悪愛の魔女45
しおりを挟む「あ、ああ」
2人が貫かれていく。
「やめろぉ!!」
「バーガーは自分の心配をしたらいいっス。貴方はメインディッシュなんスから、昔の続きをしましょうね」
ゾクリとした。
前にスカリーチェにされた拷問を思い出す。
……か、勝てない。
この魔女には勝てない。
考えが甘かった。イズクンゾさえ止めればいいと思っていた。だが違かった。四天王たちはそれぞれが人類の脅威になるほどの存在なんだ。
それだけの存在なんだ。王国、いや人類の戦力を掻き集めてぶつけなければならなかった。
三騎士がいてくれれば。しかしそれは叶わない。
魔法もスキルも使えない。こんな海の底まで助けは来ない。
「負け、るのか」
絶望だ。アイナに会えないまま、また死ぬのか。
切り札だって魔法が封じられたいま、使うことは出来ない。
俺はギアに視線を移す。せめて機動力が残っているギアだけでも逃げてくれれば、逃げられる可能性は低いかもしれないが、それでも希望が残れば俺もここで戦って死ねるだろう。
「ポラニア、無茶するぞ、組め」
「ポメ!」
諦めてないのか、この状況で。
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