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六章『ピクルス編』
第926話 悪愛の魔女7
しおりを挟む「殺戮空間(キリングフィールド)」
ギアの背中にあるクリスタルから円状に薄い結界が張られる。結界はギアを中心に一緒に移動している。
あれはなんの結界なんだ?
スカリーチェが結界の中に入る。僅かに動きが固まる。
「障壁ではなく、範囲内にいる者の魔法を使えなくさせる結界っスね。反魔法結界(アンチマジックフィールド)だったっスか」
「パロムがチクったな。悠長に分析しやがって。魔女が魔法を封じられたんだ潔く死ね。死角移動(キリングラン)」
ギアは高速で背後に回るとKILLソードを振る。
スカリーチェは為す術もないなく斬られた。
ばたりと倒れた。あっけなさすぎる幕引きだ。
いやギアが強いんだな。俺も瞬殺されたし、あれと戦って無事でいるサガオが凄いんだ。
ギアは振り返る。アヴドキアたちを睨む。
「終わった。次はそこの娘どもだ」
「何が終わったんスか?」
「……」
ギアは首だけをスカリーチェに向ける。
「確かに斬り殺したはずだ」
「クスクス。殺すことはいくらでもできるのに、殺されるのは一回しか出来ないなんて、なんだかズルいじゃあないでスか」
「何か、仕込みがあるな?ポラニア任せたぞ」
俺の横にいるポラニアが頷いた。
「魔法は封じてあるんだ、何かしらの手品か」
「さぁ、試してみたらどうっスか?」
「そうだな」
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