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六章『ピクルス編』

第915話 悪愛の魔女

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「自分の子供を殺したのか!?」
「ええ、まあ、ちょうど良かったっスから」

「その剣は人殺しの剣でスね。クスクス」
「く」
「バーガー。動揺しない」
「そ、そうだな。あんな悪は始めた見た」
「クスクス」

 スカリーチェとの戦闘は避けられそうにないか。
 俺はアヴドキアを見る。

「な、な、な」

 俯いて震えている。しかしすぐに顔を上げた。
 その表情は怒りだ。

「舐めるんじゃあねぇです! 全軍スカリーチェをぶち殺ーー」
「待てアヴドキア!」
「ハンバーガーが命令するんじゃねぇです! スカリーチェを殺ったあとは貴様らの番だから待ってろです!」
「そういうわけにも行かん、協力して戦うべきだ!」
「そんなの例え死んだとしても嫌だです!」
「はにゃし聞けバカ鳥!」
「いってぇ!何しやがるです!エリノア!」
「バーガーのはにゃしを聞くべきだよ。死んだら魔王ににゃれにゃいんだよ?」
「なにを……」

 エリノアナイス!
 上手く落ち着かせてくれたな。

「アヴドキア、いいか、お前が指示出してる魔物は弱くなる」
「なっ!? 言いやがりましたね!!」
「ディザスターもホネルトンも自力で戦えたら俺たちはもっと苦戦していた」
「つまりは支配から解放して自由に戦わせてやれって言いてぇですか?」
「そうだ。そうしないと魔王になるどころか俺すら倒せないぞ」
「ぐぬぬ。さっきからそれを持ち出すのはずりぃです。でも事実じゃあ仕方ねぇです。今だけは、です」

 やはりエリノアの姉妹。なんか似てる気がする。

 支配から開放された魔物たちが不思議な顔を浮かべる。
 ディザスターが降りてきた。

「バーガー、状況は見えていた、助かったよ」
「ああ、こっからだな、頼りにしてる」
「任せてくれ」

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