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六章『ピクルス編』

第913話 海底神殿攻略戦29

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 アヴドキアが驚いた声を上げた。

「この魔力はスカリーチェの魔力でやがります!」

 援軍か。それも四天王クラス。
 そうか、スカリーチェは消滅魔法を使っていたな。なるほどそれで海を消滅させて海底まで一直線で来たのか。

 って、なんて魔法だよ!


「バーガー。どうする?」

 ジゼルが俺の指示を仰ぐ。

「皆と合流しよう」
「クラーケン様は守らなくていいの?」
「それは俺たちが生き残るのが前提の話だ。全滅するくらいならこの任務は放棄する」

 スカリーチェがどこに行こうと、向かう先が危険な状態になる。ここに来られてもヤバいしな。

 対抗するには皆と力を合わせるしかない。

「オーケー」
「みんな! 強行突破だ! 中央まで走るぞ!」

 俺の指示に聖騎士たちは勇ましい雄叫びのような返事をあげると、数秒で矢印型(矢印の先は通路の先を向いている)の陣形を組んだ。いつでも行けるって感じだ。あとは、

「エリノア!」
「あいよ!」

 エリノアがアヴドキアをドームの中心に強く蹴り飛ばした。

「ぐあ!! 何してやがりますか! お前らも何してやがりますか! アイツらを殺せです!」

 ギアの親衛隊の攻撃が一層激しくなる。
 エリノアは最後尾に陣取って数十名の聖騎士と共にそれを受けている。

「ミーが殿(しんがり)を務めるよ」
「頼んだ!ジゼル! 行けるか!?」
「魔力の出力を上げてディザスターの重力魔法(グラビティマジック)に隙を作る。合図をしたら真っ直ぐ走って」
「わかった!」

 アヴドキアが怒鳴った。

「逃がすと思ってやがるですか!」
「おっとミーが相手だよ!」
「邪魔をするなです!」
「するよ!」

 ジゼルが手を叩く、魔力の出力が一瞬大幅に増大、それから通路を指さした。魔力が流れる。隙が出来た!

「ゴー!」
「全力後退だ!!」

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