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六章『ピクルス編』

第911話 海底神殿攻略戦27

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「くははははは!! ヤーを笑い殺すつもりでやがりますか!? あんなやつが、くはははは!海龍(シードラゴン)を倒すなんて不可能だです!」
「バーガーをにゃめるにゃ!!」

 エリノアの怒号だ。ライオンの咆哮のようだ。

「大声を出すなです!」
「バーガーは馬鹿にされるようにゃ男じゃにゃいよ」

 ……無策なんて死んでも言えないな。
 聖騎士たちが俺に混合肉パテ(めっちゃ焼いたヤツ)を挟んでくれる。

 準備はOKだ。俺はMAXソードで壁に切れ目を入れて外に出る。シャボン玉が海水から守ってくれている。

 海龍(シードラゴン)は質量任せの突進をしてくる。
 やはりアヴドキアに使役されていると動きに制限が掛かるようだ。恐らく今下されている命令は『海底神殿に体当たりしろ』と言った感じのものだろう。吐息(ブレス)に巻き込まれるのを恐れたんだろう。

 しかしアヴドキアが近くにいる以上、いくらでも命令は書き換えられる。

 MAXソードの勇者斬(ブレイブスルー)は一日一回しか使えないからな。温存しなくては。

 まずはパテからだな。混合肉を解析だ。『混合肉を確認。真向鯨(リアルファイトホエール)、口笛海豚(ハミングドルフィン)、過剰殺鯨鯱(オーバーキルオルカ)から殺戮音波(デスボイス)を生成。4回使用可能』

 栄養満点なせいか、使用回数が多い気がする。
 よし! 全部行くぜ!

「『殺殺殺殺戮音波(デデデデスボイス)』」

 俺の口からエコロケーションのイメージそのままの音波が広がっていく。しかしそれは壊滅的に破壊的で殺戮的な音波だ。音波の通ったところが沸騰して熱湯に変わって爆発していく。

「ギャーース!!」

 海龍(シードラゴン)に直撃、悲鳴をあげる。
 あの身のくねらせ様からして相当痛いようだ。

 小龍(ワイバーン)とかなら一撃なんだろうけどな。
 やはり龍の中でも三龍と言われる種だ。痛がりはすれど死ぬ気配はない。

「そんなものが聞くわけねぇですよー!」
「く、使うしかないか」

 俺はMAXソードに意識を集中させる。
 ネスがいなくなったから龍種は敵ではないと思う。出来れば使いたくはなかったが……




 『ボゴン!!』




「は?」

 い、今の音は? 何が起こった?
 なんで海龍(シードラゴン)が大きな拳に殴られているんだ。

 俺は拳の後を目で追う。そこには海小娘(シーガール)がいた。

「な、なんでありやがりますか!? あのデカい人間は!?」
「助けに来てくれたのか!」

 海小娘(シーガール)は海龍(シードラゴン)よりも大きい。

 遠くから見ればゆっくりな動きで海龍(シードラゴン)を殴る。さっきの魔法よりも痛そうにしている。つ、強い。

「海小娘(シーガール)ありがとう! 助かった!」

 海小娘(シーガール)が親指を立てた。ナイスガールだ!
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